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内容説明
武士の世の幕開けを告げた保元・平治の乱から、秀吉による文禄・慶長の役まで、中世は武士による戦乱の時代だった。承久の乱や南北朝の内乱、応仁の乱、戦国のさまざまな合戦など、中世の画期となった重要な戦乱について、先端研究者が最新の研究に基づいて叙述。単なる戦乱史・事件史にとどまることなく、戦乱を切り口とした中世の通史・政治史として描き出す。そして、なぜ中世には全国規模の内乱が頻発したのか、その構造的要因を考察する。戦乱の世を一望に収める入門書。
目次
1 保元・平治の乱 佐伯智広
2 治承・寿永の乱 下村周太郎
3 承久の乱 田辺旬
4 文永・弘安の役 高橋典幸
5 南北朝の内乱 西田友広
6 永享の乱 杉山一弥
7 享徳の乱 阿部能久
8 応仁の乱 大薮海
9 明応の政変 山田康弘
10 西国の戦国争乱 菊池浩幸
11 東国の戦国合戦 久保健一郎
12 石山合戦 金子拓
13 豊臣秀吉の統一戦争 平井上総
14 文禄・慶長の役 津野倫明
15 総論 高橋典幸
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
16
ちくま新書の『○○史講義』シリーズのうち、中世の2冊目にあたる。【戦乱篇】といふことで、コンパクトではあるが現在の歴史学の通史とその歴史的評価を概説する。それぞれの項目に、より専門的な参考文献が挙げられていて、研究状況の見取り図も分かる。かつての教科書的には、応仁の乱のあとは、石山合戦、秀吉の天下統一戦争、文禄・慶長の役がでてきて終はりといふことが多かつたが、享禄の乱・明応の政変・西国の戦国争乱・東国の戦国合戦といふ項目が立てられた点に、平成期の研究状況の変化が感じられる。2021/05/10
奈良 楓
14
【良かった】読友さんの履歴で読みました。 ● 「講義」とあるように、エンタメ<真面目な考証。ですが面白くわかりやすいです。 ● 「逃げ上手の若君」を読んでいるため、室町初期の動乱は興味深く読めた。 ● 室町幕府末期の鎌倉他諸公方のごたごたは、この本を以ても理解に難しい。2025/04/29
白隠禅師ファン
13
中世における戦の最新の学説や研究が満載で勉強になりました。 「国郡境目相論」という言葉を本書で初めて知ったんですが、これは重要な戦国期の概念だったんですね。詳しくは読んだらわかりますよん。2024/03/30
fseigojp
13
徳川になって初めて土地裁判が安定化した 大化の改新で公地公民が推進されたが海外進出のための措置で、663年の白村江の敗北、新羅の668年の統一後、757年以後防人の九州からの徴兵、792年の軍団廃止と海外との緊張がとけるにつれ土地裁判がはじまる2022/02/18
ほうすう
13
保元・平治の乱から文禄・慶長の役まで、主な戦乱をテーマとした14の章と最後に総括として、計15章からなる構成。 全体的に広く浅くといった印象を受ける。20ページそこらで一つの戦争を語ろうというのはやはり物足りなさも感じてしまうが、それぞれのテーマで参考文献を挙げてもらえているので取っ掛かりの本としては良いのかもしれない。ただやっぱり物足りないかなぁ…、個人的には明応の政変について章立てまでしてくれたからもう少し詳しく書いてあるかと期待があったのだが、あっさりとし過ぎでいささか残念。2020/04/12