内容説明
住宅確保は自己責任とされ政策として意識されたことのない日本。住まいの貧困に取り組む著者は、住宅確保ができずに路上生活から死に至る例を数限りなく見てきた。支援・相談の現場歴二十余年の経験から、「2020以後」の日本社会に警鐘を鳴らす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
25
社会的に排除され、生存権そのものを脅かされている人たちがいる。生活保護からの排除、住む権利も認められない日本の姿。この本は、その実態を明らかにすると同時に、排除する側にいる者の責任を鋭く問うている。そして、それに抗するための方法について探求されている。とても、良書だと思う。2020/03/22
lily
9
湯浅誠とともに自立生活サポートセンター「もやい」を運営する著者による提言。ジェントリフィケーションによって排除されるホームレスの生活保護申請に立ち会い、寄り添い続けた著者の意識は圧倒的に当事者に近い。奇抜な発想や視点があるわけではないが、「変わるべきは社会環境」をモットーにTwitterなどで発信を続ける姿には頭が下がる。25年間で3000人のホームレスを生活保護につなげてきた実績は伊達じゃない。本来は著者のような民間ではなく行政が活躍すべきだと思うのだが…2021/08/18
takao
3
ふむ2024/06/24
niki
2
バランスが取れた内容、著者であると感じた。 草の根の活動をしながら政府や公的機関への提言も行う。貧困問題を解決するためには法律を変える必要があると感じさせられる理論的な内容であった。 貧困問題に関心があって本書を選んだが、貧困に関わるあらゆる社会問題(ギャンブル依存症、アルコール中毒、ホームレス、子ども・若者・シングル・高齢者の貧困、十代での妊娠、生活保護)についても当然触れており、自身の知識の確認にもなった。 将来に夢や目標を抱けない貧困層の若者が増えている。彼らへの支援を優先して欲しいと思ってしまう。2022/12/18
TOMTOM
2
社会的排除や貧困に対するアウトリーチの実践について知りたいと思い購入。2020東京五輪開催以後の東京周縁での社会的排除について、特に住宅問題についての情勢がわかりやすく記載してあり、まだまだ課題は多いとのこと。特に東京の区での対応・意識の違いにも述べられており、いろいろと考えさせられました。2020/05/10