〈わたし〉はどこにあるのか - ガザニガ脳科学講義

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〈わたし〉はどこにあるのか - ガザニガ脳科学講義

  • ISBN:9784314011211

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内容説明

私たちは責任ある動作主だ――とはいえ、誰かが脳のなかにいて、判断を下し、レバーを引いていると感じることがある。いったい“わたし”の統括責任者は誰なのか?それは脳のなかのどこにあるのか?

英国スコットランドの伝統ある一般公開講座「ギフォード講義」で語られた内容をもとにまとめられた、認知神経科学の父とも言われるガザニガの集大成。

目次

第1章 私たちのありよう
第2章 脳は並列分散処理
第3章 インタープリター・モジュール
第4章 自由意志という概念を捨てる
第5章 ソーシャルマインド
第6章 私たちが法律だ
第7章 あとがきにかえて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜長月🌙

79
多くの人は自分の脳で考えて自由意思で判断なり行動していると思っています。ところが最新の脳科学ではそうでないことがわかってきました。実は多くの行動は無意識の判断のうちにされています。無意識の判断・行動が私たちの生活の多くを支えています。人間は自由意志を持つというのは根源的な真実として焼き付いてしまっていますのでそれにいくら科学的反証をあげても認識は容易に変わらないでしょう。この書籍は講義ですので新書のようにエッセンスだけまとめてわかりやすく書いているものではありませんが事実の積み重ねのおもみが感じられます。2022/08/07

やいっち

79
【お勧め】<わたし>は、脳におけるいろんな部位から届けられる情報(電気信号)の集合体。しかも、海面下の膨大な意識以前の脳の情報が時に錯綜し、あるいは時に統合されて、<わたし>という幻想が生まれる。<わたし>が意識の明確なコントロールセンターであることは、滅多にないようだ。時に怒涛のような情報の逆巻く波に翻弄され、平安を保てるのは、ほんの凪の時だけ。大概は、無意識下における千々に乱れる心の揺らぎに誰しも悩む。目覚めているときも、眠っている時でさえも情報の揺らぎはとどまることを知らないのだ。 2016/12/15

翔亀

46
【人新世10】ハラリを導きに脳科学。『ホモ・デウス』で現在に至る人間至上主義の土台を崩した現代科学の成果の一つの論拠として引用されていた本だ。神経科学者のガザニガは、脳科学でよく引用される分離脳患者(左脳と右脳の分離)の研究で知られる。本書は脳科学全般の成果と課題が一般向けに総括されている。脳科学の研究史の概観も参考になるが、何より哲学にも大問題である、<心>や<魂>や<自己>(本書では<自由意思>と言い換えている)は、あるのかという問いに焦点を合わせる。答えは明確だ。「ない」、だ。脳科学者としては↓2020/12/23

踊る猫

39
「講義」をベースに構成された本というだけあって、ガザニガの「語り口」は実に融通無碍・変幻自在の展開を見せる(ガザニガ自身が「何の話をしているんだ?」と我に返るところで笑ってしまう)。だが、その「ゆるさ」にダマされてはいけない。ベースにあるのは豊富な脳科学の知見、そして政治思想・倫理学・哲学といったジャンルを自由自在に越境・横断する知の蓄積なのだ。だから読んでいて野蛮さすら感じられる。たしかにここまで手を広げられると各分野のスペシャリストは眉をひそめるかもしれない。それもガザニガは「織り込み済み」だと思うが2024/01/28

踊る猫

27
極めて興味深く、また面白い。講義をベースにしたこの本の論述/著述は平易で読みやすく、ともすると机上の空論に陥りがちなこの種のトピックを私たちの身近な問題として消化しやすく記述している。読みながら思うのは、私たちの脳や心の問題は一筋縄ではいかないということ。インターネットが本部を持たないネットワークシステムが生み出す集合知の謂であるように、心も私たちの身体や脳が織りなすネットワークシステムから生まれるものであることがわかる。おかげで心脳問題にもグッと近づきやすくなったように思われた。このクオリティは侮れない2021/12/04

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