筑摩選書<br> ドキュメント 北海道路線バス ――地域交通 最後の砦

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

筑摩選書
ドキュメント 北海道路線バス ――地域交通 最後の砦

  • 著者名:椎橋俊之【著者】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 筑摩書房(2025/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480018182

ファイル: /

内容説明

鉄道廃線を引き継いだ北海道の路線バスは、過疎化や少子高齢化により危機に瀕している。自然環境もきびしく、冬の日本海沿いでの運行は突風、ホワイトアウト、猛吹雪で困難を極めるが、運転手は高度な運転技術と旺盛な使命感で日々闘っている。バス輸送の現場はいかなる問題に直面しているのか。運行管理者、運転手の生の声を徹底取材。DMV、BRTの現在や、イギリスのバス復権の動きも調査し、バス2024年問題や運転手不足への対策に向けた提言も行う。 【目次】まえがき/第一章 真冬の路線バス――過酷な気象条件のなか北を目指す/第二章 自然とのきびしい闘い――今日も走る国鉄代替バス/第三章 生活バス路線を守る――道東・中標津町の闘い/第四章 道北を走る長距離都市間バス――札幌~枝幸298㎞、5時間半の旅/第五章 日本最北のバス路線――宗谷バスを走らせる人たち/第六章 人手不足社会への試行――自動運転バスはどこまで進化するか/第七章 DMVとBRT――バスの可能性を広げる試み/第八章 イギリスのバス復権――徹底したバス優先施策で利用客を呼び戻す/第九章 続く路線バス運営の試練――コロナ禍と2024年問題/終章 バス運転手不足への提言/あとがき/参考文献

目次

まえがき/第一章 真冬の路線バス──過酷な気象条件のなか北を目指す/1 暴風雪で公共交通が途絶した2日間/2 暴風雪去る──運転再開へ向けての準備/3 運転再開の朝──町の営みが動き出す/4 天塩高校へ通う高校生で満員に/5 冬に豹変する天塩の道/第二章 自然とのきびしい闘い──今日も走る国鉄代替バス/1 国道に立つ「海抜4m」標識/2 大雪で市内道路がマヒした留萌/3 乗合自動車から羽幌線へ/4 羽幌線廃止から代替バスへ/コラム1 名物・クリスマス「サンタ号」/コラム2 沿岸バスオリジナルキャラ「萌えっ子」/第三章 生活バス路線を守る──道東・中標津町の闘い/1 北海道最長の路線バス──釧路羅臼線乗車記/2 根釧台地の開拓を支えた標津線の廃止/3 自治体とバス会社の共闘/4 中標津空港線を守る根室交通/第四章 道北を走る長距離都市間バス──札幌~枝幸298㎞、5時間半の旅/1 豪雪地帯を横断する道央自動車道/2 士別剣淵インターチェンジから国道40号線(名寄国道)へ/3 天北線跡から歌登町営軌道跡へ/4 終点枝幸ターミナル到着──極寒のなかの洗車作業/5 夕張炭鉱から鉄道をへてバス運転手へ/6 2024年問題がバス業界に落とす影/第五章 日本最北のバス路線──宗谷バスを走らせる人たち/1 宗谷バスの歴史/2 昭和を駆け抜けた2人のベテラン/3 宗谷バスのエース、札幌直通「わっかない」号/4 女性ドライバーならではの心遣い/第六章 人手不足社会への試行──自動運転バスはどこまで進化するか/1 運転手のいないレベル4運転が始まった上士幌町/2 次なるステップは人間の価値判断/第七章 DMVとBRT──バスの可能性を広げる試み/1 雪の少ない道東で始まったDMV実験/2 DMV導入を断念した夕張市と成功した阿佐海岸鉄道/コラム3 イギリスLMS鉄道によるロードレイラー/3 日本のDMV開発史/4 戦時廃線となった白棚線復活で誕生したBRT/5 東日本大震災の復興に寄与した三陸BRT/6 自動運転化への胎動/第八章 イギリスのバス復権──徹底したバス優先施策で利用客を呼び戻す/1 バスに乗って帝国戦争博物館を目指す/2 徹底したバス優先ルール/3 成功したロードプライシング(混雑課金)/4 地域バスの存続を地方政府機関が主導/第九章 続く路線バス運営の試練──コロナ禍と2024年問題/1 コロナ禍による外出抑制で経済環境が激変/2 乗客が急減少した北海道の路線バス/3 コロナ禍でバス運転手の離職が加速/4 全国に広がるバス運転手を募る動き/終章 バス運転手不足への提言/あとがき/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

134
北海道に住んだ経験がないので、雪国で路線バスを走らせる仕事の苛酷さは想像以上だ。暴風雪で交通網がマヒし、人手不足の深刻化で運転手確保もままならぬ現状は恐怖を覚える。極度の過疎地帯で多くの鉄道が廃線となった今日、地域住民の生活を維持する最後の砦とは大げさではない。必死にバスを走らせ続ける現場の努力には頭が下がるが、いつまでも彼らに頼ってはいられない。苦境を打破するため無人運転をはじめ様々な技術が開発されているが、結局は国の予算という税金が使われるのを都市住民が認めるかだろう。あまり明るい未来は予想できない。2025/06/27

えりまき

17
2025(138)鉄道廃線を引き継いだ北海道の路線バスのルポ。読んで良かった!エッセンシャルワーカーである運転手さんの厳しい労働条件に驚きました。「凍てつく300㎞の道を運転したあとで、なおボディ洗車の重労働」。高校生の通学やお年寄りの通院などに重要な路線バス。「乗車率が悪い路線は、ハイエース旧の小型車を投入するなど、廃止ではなく合理化は必要」。繁忙期には沖縄のバス会社と協力しているのだそう。路線バスなどの公共交通機関には、旅行の際には本当にお世話になってます。 2025/06/08

スプリント

14
過酷な環境と過疎が進む地域の公共交通機関である路線バスの現況を解説している。 採算度外視してでも維持しなければならない事情がわかる。2025/06/01

ろべると

12
バス運転手の不足による減便が相次ぎ、特に地方は鉄道が廃止される中で、高校生や病院通いの高齢者にとって死活問題である。その最たる例である北海道のバス事情(運転手の約2/3が60代以上!)から、問題の本質をあぶり出すことを期待して読んだのだが…前半は道内各地の長距離路線バスのルポ。豪雪地帯を走るバス運転手の苦労は伝わる。後半は問題解決の鍵を握るであろう無人運転バスなどが紹介されるが、淡々とした記述で踏み込みが甘い。ロンドン取材は意味が曖昧。主張が伝わってこない。全体に鉄道趣味雑誌の記事を読んでるようで、残念!2025/04/02

566

6
ましてや雪国だと都市部よりやることが多いのなんの。最後の砦らしく病院や学校との密接さ、フリー運行などの柔軟さは特徴的で顧客目線であるけれどやはり人手不足は顕著でありいくらやりがいを伝えても現実を見るとかなりきつい労働環境と低賃金なので令和の少子化の時代になかなか見合わない。やはり国が動かないといけないが地域ごとに特色が変わるので公平に制度を作るのは難しい。2025/05/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22474902
  • ご注意事項

最近チェックした商品