内容説明
地図と周囲の風景が違う? 探索を続け町を進行するタイキとヤヒロは、世界への違和感を強くしながらも、高層ビルの立ち並ぶ繁華街へとたどり着く。無数の落書きに迎えられ、どうやらここは2つの勢力が縄張り争いをする、戦場の真っただ中のようだ。
〈天文館〉と〈果樹園〉という二つの部隊は戦闘を繰り広げ、究極の〈秘宝〉を探し求めているらしい。そんな中で、双方に和解を呼びかける勢力、〈灯台〉に所属する陽羽里クイナと出会う。
目指す〈ミハシラ〉へは繁華街を通過しなければならず、タイキは両陣営とクイナを前に選択を迫られ──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
10
実はあらすじから事実上完結巻になると思い込んでいたぞ。 学生同士の小規模とはいえ、実在の紛争経緯に通ずる展開は面白いし、スカした主人公の変化も見てて微笑ましい。 だからここで終わるのはなぁと思っていたからこそ、驚いた。新章、というか世界観のスケールアップはSF特有の醍醐味でワクワクする。VRとはまた違う管理社会の敵の正体とは。 次巻は地図の向こう側へ行ってほしいところだが、さてはて。2020/03/13
真白優樹
8
「天文館」と「果樹園」という二勢力が「秘宝」を巡り争う繁華街へ迷い込む中、中立勢力に属する組織の少女、クイナに調停への護衛を依頼される今巻。―――秘密は更なる謎を呼び、世界は未だ水底の向こう。 対立する二つの組織の間を上手く駆け回る中、平和の崩壊に巻き込まれ突然に真実の一端が明かされタイキに秘められた謎が更に深まる今巻。一端から導かれたのは世界の壮大な姿の一端。だけど彼等は舞台に上がれずもがく塵芥に過ぎず。読了後重くのしかかってくる巻である。果たして彼等の次の目的地とは。 次巻も須らく期待である。2020/03/10
リプトン
4
こんな世界で同じ人同士で争うなんて不毛だとは思うけど、お互い譲れないものもあり信念もある。でも種明かしをしてみればほんとに救いがないというか残酷というか……。面白いんだけど、なんというかどっしりとくるものがある。この世界についてようやくその一端が垣間見えたことでワクワクもしたけど、同時にまだまだ謎は深くその真実には遠そう。2人が先へ進みながら、道中で新たな出会いを通じて問題を解決しつつ、この世界の真実へと近づいていくスタイルは好きなので、これからもじっくりと楽しんでいきたい2020/06/11
HANA
4
今回でようやく話の軸が少し見えてきたような。色々な探索者が色々と関わりあっていく今回の話もなかなか面白かった。次がどうなるか楽しみ。2020/05/31
淡雪
3
前もかいたけど夏海さんの作品には微妙な既視感がつきまとう。ひらきなおってオマージュならそれはそれでいいのだけど、そういうわけでもないので難しい。この作品だと「百億の昼と千億の夜を想起」した。この作品たぶん未完で終わるのだろうが、主人公キャラをもっと弱者にしたほうがいいのではないか。感情移入しずらい。2021/12/21