小学館文庫<br> 大番 下

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小学館文庫
大番 下

  • 著者名:獅子文六【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 小学館(2020/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094084955

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内容説明

これぞ、ど根性サクセスストーリーの傑作!

丑之助を株の世界に導いてくれ、何かと可愛がってくれた富士証券の社長・木谷が自殺した。大恩人の死にショックを受けた丑之助は、株屋を廃業し、故郷の愛媛に帰る。
 一応の成功者と思われている丑之助は人々から一目置かれ、以前は雲の上の存在だった富豪の森家とも、東京の伯爵家に嫁いだ憧れの可奈子ともなじみの関係になっていた。その森家から船を借りヤミ商売を始めるが、やがて太平洋戦争が勃発。丑之助の株屋魂に再び火がつく。
 終戦後、混乱のカブト町へ舞い戻った丑之助は、事業を拡大する一方、零落した可奈子の世話を焼く。 
 痛快、昭和の相場師一代記。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

桜もち 太郎

5
昭和の相場師の一生を綴った物語。今はあまり読まれてはいない師子文六。昭和初期から中期に活躍した劇作家だ。ユニーク小説に分類されるらしい。阿川弘之はあるエッセイで、文六作品のことを「大人の文学」と語っていた。当時の文士達には絶大の人気があったらしい。読みやすく、癖のない文章が文学賞にはそぐわなかったのかな。この「大番」の主人公はとにかく真直ぐ、自分の思いのままに生きていく。相場で生きて相場で死んでいく潔さが読後の爽快感につながった。文六快心の作品だ。2014/09/03

まあさん

4
「ど根性サクセスストーリー」の傑作。主人公のほぼ一生をエンタテインメント性溢れる筆致で描いたもので、本当に面白かった!印象に残ったのは、物語を透かしてみえる、かつての人間関係の“濃さ”でしょうか。 大正から昭和の戦後が舞台で、人と人を繋ぐのは直接会うか手紙…急ぎの場合は電報…という時代。それでも人は人のことを忘れていなくて、時には損得を関係なく助けたり助けられたりいう関係がごく自然に描かれていました。昔を懐かしんでばかりでは前に進めないと思いつつも、こういうことも大切かなあと思ったり…でした。2020/11/03

Akira Kumoi

4
上下巻の大長編、ぐいぐい引き込まれながらようやく読了。 昭和の大ベストセラー作家だった獅子文六がいまあまり読まれなくなっているのは、候補作にはなりながらも直木賞に縁がなかったからでしょうか。文芸評論家の福田和也も最高の小説の一つとして挙げている名作です。面白かった〜! 表紙はもうちょっとなんとかならなかったのかなとは思いましたが。2015/12/22

kobash

3
ド根性サクセスストーリーにして日本経済小説の傑作!愛すべきギューちゃんの物語をいつまでも読み続けたかった。2018/11/04

バッシー

2
昭和はじめの株式市場の相場師の物語。昭和ものというと終戦からはじまり高度成長を迎えるまでの話を想像したが、本作は戦前からはじまり、主人公ギューちゃんは二・二六事件、戦争、占領下、神武景気へと駆け抜けていく。戦争さえ投機のチャンスにとらえていくところには、しめっぽさがなく爽快にも感じた。おまきさんら脇役もいい味を出してる。読めば読むほどはまってしまう。2019/10/13

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