内容説明
ギューちゃん復活!株屋が舞台の痛快小説!
愛媛の貧しい農家に生まれた丑之助は、富豪の令嬢・可奈子に手渡した“ガリ版刷りラブ・レター”事件をきっかけに、十八歳で家を飛び出し東京に向かう。昭和初期の日本橋、たまたま住み込んだ小さな株屋で小僧として働くうち、株の面白さに目覚めた丑之助は、独り立ちを決意、愛嬌のある性格と持ち前のカンので、相場師の道を突き進む!
不恰好な体つきに強い田舎なまり。そのうえ金好きで女好き。だけど、どこか憎めない“ギューちゃん”が、カブト町を舞台に大活躍する、ど根性サクセス・ストーリー。
書評家・北上次郎がオススメする名作シリーズ第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
37
子供の頃、「ギューちゃん」という愛称や映画のテレビ放映(加東大介主演)で名前だけは知っていた作品。両親は面白いと言っていたが、昔の小学生が株式相場の話なんて面白いと思うはずもない。初読み、600ページ近い本を一気読み。面白いのなんの。描かれた時代は昭和30年。その僅か30年前くらいからの話なのだが、つまり「戦前」が今の生活に密接に繋がっている面白さもある。当たり前の比喩表現として「将校だったのが下士官になってしまった」とか、華族の当主や土地の有力者の表現が「殿様」だったりする。ワクワクしながら次巻へ。2020/05/19
桜もち 太郎
4
獅子文六の長編大作。時代は昭和初期、四国の貧しい農民の丑之助こと「ギュウちゃん」が上京し株で一旗あげるサクセスストーリー。株の勝ち負けで波乱の生活を送るぶんちゃん。一発勝負の集中力と強気の賭で大儲け、そして大損・・・。長い物語だが展開の振り幅が大きく退屈させない。大金持ちの伯爵夫人・有島可奈子との関係も気になるところ。上巻最後には株の恩人が自殺してしまうという意外な展開となる。物語の面白さはさすが文六先生だ。下巻が楽しみ。2014/09/01
まあさん
3
感想は下巻へ!2020/11/03
kobash
3
魅力あるキャラクター達の手に汗握る活躍を描いた物語が痛快で500ページ以上をあっという間に読み終わりました。まさに『牛読』。2018/10/29
check2012
3
いやあ、人生ベスト小説かも。 映画やドラマDVDならないかなあ、スカパーにリクエストもするか。 これに比べたら最近の小説なんて、×××。 獅子文六が文学座をつくったお一人なんて今頃知りました。。。嗚呼2012/08/24