創元推理文庫<br> 大忙しの蜜月旅行

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創元推理文庫
大忙しの蜜月旅行

  • ISBN:9784488183134

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内容説明

とうとう結婚へと至ったピーター・ウィムジイ卿と探偵小説作家のハリエット。披露宴会場から首尾よく新聞記者たちを撒いて、従僕のバンターと三人で向かった蜜月旅行(ハネムーン)先は、〈トールボーイズ〉という古い農家。ハリエットが近くで子供時代を送ったこの家を買い取っており、ハネムーンをすごせるようにしたのだ。しかし着いてみると、家は真っ暗で鍵がかかっており、待っているはずの前の所有者は見当たらず。訝りながらも滞在していると、地下室で死体が発見されて……。シリーズ最後の長編が創元推理文庫についに登場! 後日譚の短編も収録。/解説=三橋曉

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

252
★★☆☆☆ ピーター卿シリーズ最終作。 前作でついに結ばれたピーターとハリエットのハネムーンを描いた推理要素ありの恋愛小説。 個人的には、肝心の恋愛パートが生々しくて好きになれない。推理要素は短編で十分な程度の小さなものだしね。 いつも名助演のバンターも、本作ではちょっと嫌味な単なる貴族お抱え執事に成り下がったように感じた。 まぁ最後まで理知的だがめんどくさい性格のハリエットのことを好きになれなかったのが大きいかな。彼女のキャラクターを受け入れることができれば印象は変わるはず。2022/02/17

NAO

77
ついに結婚したピーター卿だが、ハネムーンを過ごすはずの家で死体が見つかり、またもや事件に巻き込まれてしまう。事件とは別に描かれる、貴族の暮らしぶり、考え方なども、興味深い。ピーター卿の良き理解者で彼を最愛の息子といってはばからない母親のデンヴァー先代公妃と、貴族であることを鼻にかけているピーターの兄嫁ヘレン、ふたりとも生粋の貴族なのだが、その性格も考え方も正反対だ。この二人の言動は、イギリスの貴族を象徴的に描いているといえるだろう。2020/12/10

中原れい

58
やっと全部読み終わった!そういえば創元文庫版の「前の」はないのね?新しい表紙だけじゃなく、訳者も変わっていて、いなかの方々もあまり大げさにしゃべらなくなってるのが、読みやすいやら寂しいやら。殺人とトリックと謎解きとは独創的ではないかもだけど、ピーターのいい方向への変わりかけやらハリエットの思いやら先代公妃の機転やらが読み応えあって楽しかったし、忙しさに追い詰められてバンターが他人を怒鳴る珍しさもマルw 何年後かの後日談も愉快。他人の家に住み込んで大きな顔するの時々小説で見るけど信じがたい神経。2023/12/13

cinos

45
3ケ月ほどかかって読み終わりました。これでウィムジィ卿の長編は制覇!ハネムーンの先の農家の地下室で死体が見つかり、ウィムジィ卿が事件の解決に乗り出しますが、ハリエットとの愛情と理解を深めてくのがメインのようで、しかしさすがのトリックには唖然としました。警視との引用合戦は笑いました。おまけもついて大満足な一冊です。2020/06/08

Masa

15
読了。久々のピーター・ウィムジィ卿、堪能しました。冒頭にあったとおり、ミステリ要素は少なめですが、これはこれでいいものだなぁと思いながら読みました。セイヤーズのこのシリーズはやっぱり読んでいて楽しいです。文章の楽しさ、美しさみたいなものがしっかり伝わってきて、上質の文章というのが翻訳でもしっかり伝わってきます。時代がじだいであれば、ピーター卿みたいな人間になりたかったといつも思うのです。後日談も楽しくて良かった。やっぱりシリーズ毒はしたいなぁ。2020/03/13

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