内容説明
19世紀に誕生した国民国家・株式会社・中央銀行の3点セット。しかし、資本移動を伴うグローバリズムと、AIやブロックチェーンなどのテクノロジーが、3者のバランスを突き崩し、中間層を蝕み始めた。超低金利、株主優遇、財政赤字、タックスヘイブン、GAFA、リブラ、MMT……悪循環に陥った資本主義を再生する道を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しろくまZ
7
グローバリズムを考える上で参考になるかと思い読み始めたが、理解できない点もあり、あまり参考にならなかった。また日銀出身者らしい主張が散見され、同意できない点も多かった。2025/10/30
しんさん
7
現代社会を構成する3点セット(国民国家、株式会社、中央銀行)から、ピケティ、仮想通貨、MMTまでふれられていて、とても面白いのだけど理解しきれずもやもやが残る。一番衝撃的だったのは三島由紀夫の「宴のあと」の大臣を国家、女将を企業、選挙参謀を通貨をたとえたコラムで、さらにわかったようなわからないような気持ちになった。出直してきます。2022/10/05
鬼山とんぼ
7
歴史、経済史を概観した上で、現在我々が見ている国家、企業、通貨の成立と危うさを鋭く抉っている。扱う範囲は幅広く、大学の講義録のような趣きも。特に後半の税制やデジタル化時代の個人情報保護に対する指摘は出色だと思った。この年齢の著者としては最近のトピックに対してもよくフォローされており、頷ける指摘が多かった。慢性的金融緩和のせいで金融政策がうまく行っていない現状や、暗号資産の膨張を踏まえれば、サブタイトルは鮮度が落ちてきたグローバリズムより、5章「漂流する通貨たち」から採ってもよかったかもしれない。2021/11/23
読み人
6
<図書館本>難しかったです。図書館が閉鎖される前に借りたのでかなり長く手元にあります。じっくり考えつつ読む為に購入を検討しています。2020/05/21
しおり
5
アジアと西欧を比べた時、大航海時代までは一人当たりの豊かさに大きな差はなかった。しかし、原料の生産地と製品の加工地が分離していくにつれ豊かさに差ができ、固定化していった。ビットコイン辺りの話は難しくて分からなかった。私有財産を保護する国民国家に有限責任によって投資を容易にした企業、決済と納税インフラを整えた中央銀行の三つが経済の急拡大を支えた。右肩上がりのころは良かったが、すべてが自由に動くグローバル下では底辺への競争が始まり富裕層の顔色を見ることに。レミングの輪廻のコラムが空恐ろしかった。2023/11/25
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