- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
いまの世の中、ふつうの精神では心が折れてしまう。あなたの心を守る仕組みが必要だ!外務省、特捜検察……巨大組織に屈せず、心を守り抜いた佐藤優氏が語るメンタルの強化術。著者によると、ここ最近、講演会や勉強会の後で“メンタル面の不調”について相談されることが飛躍的に増えたといいます。その背景には、日本社会が急速に新自由主義化しているために、ビジネスパーソンが常に競争圧力にさらされていることがあります。新自由主義を推進すると弱肉強食の社会になり、格差が拡大。一旦、転落してしまうと、そこから這い上がることはほぼ不可能になります。結果、メンタル面で苦しむ人が増えるというのです。こうした弱肉強食の社会において、競争に耐え、勝ち残ることができるのは一握りの人だけ。彼らは、他人を蹴落としてでも自分は生き残ってみせるという、良く言えばメンタルの強い人、悪く言えば自分勝手で図々しい──言い換えると“下品”な人たちである、と佐藤氏は言います。大半の、繊細で優しい心を持った普通の人たちは、競争の中でいつか心が折れてしまうだろう、と言うのです。どんなに必死に頑張って働いても、会社に貢献しても、自分の「心」=「メンタル」が壊れてしまったら元も子もありません。ではこれから先、私たちはどのように働き、どのようにして心を守ればいいのか。下品になってでも戦い続けるのか、品格を保ちながら別の戦い方を探すのか。これからの時代を折れずに、負けずに、疲弊せずに生き抜くための働き方を提案します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
breguet4194q
133
メンタルを強化すると言うよりも、壊れないようにする方法を教示してくれているように思います。世知辛い状況下で、どのような心持ちなら、生き抜いていけるか。幾つかキーとなるワードも登場しますが、特に「下品」と「上品」で区分けされる生き方を知る事で、気持ちが穏やかになりました。似たような自己啓発本が氾濫してますが、この一冊はメンタルの本質を捉え、わかりやすく、しなやかな生き方を提示してくれています。2022/01/07
mukimi
126
佐藤氏の本は題名が良い。定期的に惹きつけられ手が伸びる。とても読みやすく即効性がある。本書のメッセージは大抵の自己啓発本で読んだことのある内容だが具体例に佐藤氏ならではの教養と経験が絡められており読み物として興味深い。幅広い人間関係を作ることで多様な価値観を知り心に余裕ができしなやかに強く生きられる、というのは内向的で1人好きな自分に刺さる。そして、私は私とその周りの環境であり強く生きるには環境を変える必要があるとの逆説にも、ひと所で踏ん張り続けなくてもいいんだと開眼。生活のパターン化も意識してみよう。2024/04/24
KAZOO
108
わたしはこのような本によって、今更メンタルを強化する年齢を過ぎ去っていますが、若い人に接することもたまにあるので参考に読んでみました。松浦弥太郎さんの本とかぶる気はするのですが、もう少し力強さを与えてくれるのではないでしょうか?事例とともに章の最後にはまとめとして3つの文章が掲載されていますがこれがすべてであるという気がします。5章で15の文章があります。これだけを取り出していつも手元で見るようにしたらいいのでは、という気がしました。2025/03/12
ehirano1
100
なんかコレもう論文でもいいんじゃないかと思うくらいよく構成および推敲された内容だったと思います。キリスト教的視点から現代の悪名高き「自己責任」をぶった切る項は最高でした。そして新しい提案として、九鬼周三の「いき(粋)の構造」から「媚態」「意気地」「諦め」にはとても感服しました。文字だけでは「は?」なんですけど、著者の解説が奮っていて、腑に落ちます。原著も読もうかと思ってます。2022/10/12
空猫
44
prime reading。 1.下品化する社会とどうつき合うか? 2.「前のめり」な生き方をやめる 3.折れない! 疲れない! 自分のための働き方改革 4.心が折れた時の動き方・考え方 5.コミュニティとアソシエーションで乗り越える、の五つのテーマで閉塞感満載の現代社会を心身ともに健康で生き延びる方法を佐藤優流に伝授。 「自己責任」という言葉の気持ち悪さ。カメラの名称が「監視→防犯」といつの間にか変化し。矜持、意地、品を持つことの大切さ(これを無くすのは人を辞めること)…。『いきの構造』も読まなきゃな。2021/10/11