グローバル資本主義VSアメリカ人

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グローバル資本主義VSアメリカ人

  • 著者名:篠原匡【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 日経BP(2020/02発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296105489

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内容説明

他国間の交渉からより米国の影響力を発揮しやすい二国間の交渉に、国際協調主義から単独主義に、グローバル政治経済の審判役からプレーヤーに──。近年、アメリカは急速に変化している。

 この変化を推し進めているのはトランプ政権だが、トランプ政権の誕生を含め、米国をそういう方向に向けているのは一人ひとりのアメリカ人である。

 本書は、米国が直面している11の社会課題を軸に、市井の人々の生き様を通して今のアメリカを描き出したものだ。

 例えば、オピオイド汚染に苦しむウエストバージニア州では、全校生徒の3分の1が祖父母や里親と暮らしているという小学校を訪ねた。その原因は、鎮痛剤などドラッグの依存症よる親の育児放棄が原因である。アリゾナの国境では不法移民を取り締まる自警団の活動に同行、メディアでは報じられない国境の現実を活写した。メキシコ・ティフアナでは米国を追放された外国籍兵士や不法移民の密入国を幇助する若者に話を聞いた。国家や企業が発する情報は一面の真実だが、日々を生きる無名の人々の人生もまた真実である。

 なお、それぞれの章には同時並行で制作したドキュメンタリー映像のQRコードを載せており、ルポルタージュとドキュメンタリーの双方を見ることができる。知られざる米国をぜひ覗いてほしい。

目次

1章:
国境vs自警団
ドラッグの運び屋を捕捉せよ!

2章:
国境vsスマグラー
ティフアナ・アンダーグラウンド

3章:
国境vs国境の住民
分断に立ち向かうツインシティ

4章:
銃規制vs銃所有者
銃規制反対派のロジック

5章:
銃規制vs射撃女子
私が6歳の娘に銃を教えた理由

6章:
ドラッグvsプアホワイト
オピオイド汚染に沈む街

7章:
教育vsハーレム
教育改革にあらがう小学校

8章:
米軍vs外国籍兵士
アメリカ人になれなかった男たち

9章:
関税vsグローバル製造業
アメリカの雇用を奪うシェルター

10章:
アメリカンドリームvs若者
夢ゾンビたちの宴

11章:
再生可能エネルギーvs過疎地
石油の国の風力発電

12章:
宗教vsメガチャーチ
イベントと化す祈りの場

13章:
貧困vs先住民
暗闇を惑うインディアン居留地

14章:
テック企業vsホームレス
シリコンバレーの貧困街

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

MioCastello

3
グローバリゼーションとは米国人が自由の意味を履き違え自分たちに都合よく解釈した結果産み落とされた魔物だ。皮肉なことに今や多くの米国人がグローバリゼーションに苦しめられている。その反動でトランプ大統領が誕生したが残念ながらグローバル化の流れは止められていない。今まで日本人の私には理解し難かったが、銃を携帯しないと暴動時に自分の身を守れず、医師がオピオイドの処方箋を乱発しまくる米国では銃規制や国民皆保険など到底無理な事がよく理解できる。非常にフェアなルポで判断を読者に委ねる著者の姿勢には好感が持てた。2020/07/24

まさきち

2
あとがきにもある通り、トピックベースではなく人ベースでインタビューした内容を組み立ててあり、著者の元からの考えもあり書かれているけど単純に誘導されていない。アメリカに住む妹に送ろうと思う。アメリカ人の夫と話す元になるんじゃないかな。2020/09/21

black_black

2
主にアメリカとメキシコの国境線に暮らす人々にスポットを当てたルポルタージュ。トランプ政権誕生により生まれた市井の人々の光と影がリアルに映し出されていて面白かった。メキシコという国家のしたたかさもうかがい知ることができ終始興味深く読み進められた。2020/04/12

Uz あなぐま

1
「大統領選挙で誰が勝利してもアメリカは変わらない」なぜなら選挙結果は現象だから。その現象を引き起こす原因とは「グローバリゼーションに伴う一人ひとりの変化に根ざしたものだ」という文脈から格差や分断といったアメリカの社会問題とその周辺の人々を取材する。銃規制、メガチャーチ、公教育、オピオイド汚染といったテーマでは特に興味をひかれた。アメリカに根付いた宗教観や自主自立の精神を感じる場面が印象的。取材をまとめた動画を併せて制作しており、それをネットで見ることができるというのも面白い試みだったと思う 2020/07/18

げんき

1
ドナルド・トランプの当選によってその存在感が急速に注目されるようになった、アメリカの市井の人々を取り上げたドキュメンタリー。同種のものでは「ルポ トランプ王国」「ヒルビリー・エレジー」などが有名だろうか。 国境警備の問題にせよ、公的教育の問題にせよ、アメリカは広大すぎる国土のせいか政府を信用しない国民性の故か、中央政府の政策が津々浦々まで均質に行き渡る日本とは全くの異世界である。それがダイナミクスを生み出してきたのだろうが、庶民レベルでは公共サービスの貧弱さのデメリットの方が勝ってきているように思えた。2020/06/14

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