内容説明
この世のみちづれとなった、詩人と小説家。
起伏に富んだ夫婦の日々を描いて講談社エッセイ賞を受賞した名随想。
「もし、こんな男でよければ、どうかこの世のみちづれにして下され。」
四十八歳の風変わりな私小説作家の求愛を受け入れた四十九歳の詩人。
強迫神経症、「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞受賞、訴訟、カブトムシ愛、四国遍路、二人での句会、そして不意の死別。
起伏に富んだ夫婦の日々を至純の筆致で描き、高い評価を得た回想記。
文庫版特典として、著者の講演「詩と小説の間――夫・車谷長吉とともに」を収録。
解説・角田光代
※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金平糖
5
B+。2020/08/26
kentaro mori
5
壮絶であったであろう日々を壮絶に書かない。淡々と書く。そこがよかった。⚫️作品を見せあうことは別に約束したことではない。でもそれは私たちのいちばん大切な時間になった。原稿が汚れないように新聞紙を敷くことも、二十年来変わらなかった。相手が読んでいる間中、かしこまって側にいるのだった。緊張して、うれしく、怖いような生の時間だった。いまは至福の時間だったといえる。2020/02/21
Jackie
4
しかしよく最後まで添い遂げたな…どんだけ器が大きいの?高橋順子さん。小説で読む分には破天荒で面白いけど、隠しておきたいことを断りもなく全部実名挙げて晒していくスタイルは周囲にいる人間にとってはたまらないだろう。旅行の日程のタフさにも驚いた。終盤はなかなか辛い場面が多くなってくるけど、ユーモアでいなしていく感じが詩人らしいと思った。出てくる場所が意外と身近で実は結構近いところですれ違っていた可能性も??2025/06/23
Teppei Sakano
2
波乱に満ちた時間だったことは想像できるが、そこに悲壮感を感じさせはしない。最も近い夫婦という関係性でありながら、厄介な人間でもある伴侶に対してもリスペクトと優しさ、慈しみがあり、お互いが肩を寄せ合うようなじんわりとした温かさを感じたなあ。 そして、人を好きになってただひたすら夜中に自転車で走り回りたくなることはあるでしょうが!という夫・車谷の感性には同意。2023/11/02
hiratax
2
車谷長吉って、セゾングループで嘱託社員として勤務していたが、マックスで月給が50万円あったと。これは一種のパトロン文化ではないかと思うが、翌年にはリストラされているんで、やはり資本主義、商行為、なんだとも。2020/03/14
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