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内容説明
“同性愛”を書いた作家ではなく、“同性愛”を書かなかった作家。恋ではなく、「恋の不可能」にしか欲望を機能させることが出来ない人――。諸作品の驚嘆すべき精緻な読み込みから浮かび上がる、天才作家への新しい視点。「私の中で、三島由紀夫はとうの昔に終わっている」と語って憚らない著者が、「それなのになぜ、私は三島が気になるのか?」と自問を重ね綴る。小林秀雄賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみぶくろ
112
長かった…。理解力も集中力も及ばずしんどい読書だった。かなり好きな作家・三島由紀夫が「豊穣の海」で自死に至るまでの各作品を通じた分析、と超興味深いテーマであるにも関わらずまったく入り込めなかったのは、その分析が徹底的な精緻さと、ちょっとした文章の間隙を強引に押し広げ堅固な自説を築いてしまう橋本治さんのスゴさのせい。スゴいよホント、合う合わないじゃなくまったく及びませんでした。でも三島には興味も関心もないとか言いながら、なんだかんだここまで読み込んでこんなに書いちゃうあたり、橋本さん相当なツンデレか?2015/12/22
遥かなる想い
101
「三島由紀夫」に関して書かれた書物は多いが、その多くは三島由紀夫の私生活に焦点を当て論じているものが多い。本書は三島由紀夫の作品の中から、三島由紀夫を語ったものであり、たとえば豊饒の海・仮面の告白などを 例に上げて論じている。昔読んだ三島由紀夫の各小説が蘇ってきて楽しいが、結局著者が何を言いたかったのかよくわからなかった、という不満も残る。 2010/10/31
安南
49
『春の雪』の冒頭が詳細な日露戦争の写真の描写で始まるのはなぜなのか。著者の出した答えは単純だが尤もで、今までなぜ思いつかなかったのか不思議なくらい。全編この調子で、そうだよ!そうなんだよ!と興奮が抑えられなかった。ぼんやりと感じていたことが、平易な言葉で説明され、輪郭が明確になる。この気持ちよさにずっと浸っていたくて、読み終えてしまうのが惜しかった。そして作品を読み解く様は、まるで推理小説のようにスリリング。少々疑問に思う件もないとは言えないが、とても読み応えがあり発見に満ちた評論だった。2014/11/11
yutaro sata
30
橋本治さんはとてもこわい人だという直感があって、何かを読もうと思っても結局手を出さない、みたいな年月を長く続けてきたのだが、ついに手を出してしまった。そして、案の定、全身を切られるようなしんどさを覚えた。しかしそれだけ自分の核にあるものを見事に掴まれているということでもあり、辛いのに読むのをやめることが出来ず最後まで通してしまった。 自己達成だけを見ていて、そこに辿り着いても、他者はおらず、生まれたときから、ただただひとりぼっちなのだという現実を、しかし受け容れて、どこにも突破口はないまま、生きていく。2024/08/31
A.T
29
1949「仮面の告白」、1951「禁色」、1956「金閣寺」、1963「午後の曳舟」、1965「サド侯爵夫人」、そして1969〜70「豊饒の海」。これらは全て1本に連なる作家・三島由紀夫の長大なる私小説と断じる。かなり以前、何を読んだのかすらも忘れてしまったが、とにかく「ついていけない変態文学?」と不快な気分になって読了できなかった三島由紀夫の世界にようやく納得できた。しかしながら、変態は変態でも、やっぱり川端康成が好きだな、わたしは。2022/09/19
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