内容説明
末喜(ばっき)、妲己(だっき)、褒ジ(ほうじ)、驪姫(りき)……。絶世の艶容、その性(さが)、残忍にして陰険。ケタはずれの中国後宮の毒婦、とりわけ武后――疑心暗鬼のままに幾千人を殺し、なお清々しい眸子と水々しさを保つ武后を、その眉をつくり化粧を施し続けた男の目を通して描く「皇后狂笑」。ほかに、西太后などを描いた7編を収録。ケタ外れのおもしろさ! 柴錬得意の中国物の世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
韓信
1
柴錬、三国志と水滸伝以外の中国物も書いていたのか…と驚きの中国歴史短編小説集。則天武后の化粧士の視点から彼女の狂気を描く「皇后狂笑」、徳齢がモデルの女官の視点で同じく西太后の狂気を描く「女官」、権謀術数でのし上がる楊素と煬帝の関係を描く「敗北」、煬帝の凋落を神怪な雰囲気で描く「凶星」、惰弱な宇文化及が煬帝弑逆を経て悪辣に変貌する「叛乱」、日本軍が袁世凱へ仕掛けたハニトラ「日露戦争を起した女」、柴錬の中国文化への造詣の深さがうかがえる「魯迅幼年期」など、特別面白くはないが、予想外にニッチな内容で新鮮に読めた2019/09/03
Gonta55号
0
古代中国、日本に限らないだろうが、改めて女性の苦難の歴史は考えさせられる。2022/03/01
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