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内容説明
兄の朔(さく)が1年ぶりに家へと帰ってきた。朔と弟の新(あき)は、一昨年の大晦日、父親の故郷で正月を迎えるために高速バスで仙台に向かい、バスが横転する事故に巻き込まれた。朔は視力を失い、盲学校での生活を送っていたのだ。大晦日に帰省することになったのは、新が母親と衝突したことが原因だった。本来の予定より一日遅れでバスに乗ったのが、運命を変えたのだ。
中学時代、新は長距離走者として注目を浴びていたが、ランナーとしての未来を自ら閉ざし、高校に進学した後も走ることをやめた。
そんな新に、突然、朔が願いを伝える。
「伴走者になってもらいたいんだ、オレの」
激しく抵抗する新だったが、バスの事故に巻き込まれたことへの自責の念もあり、その願いを断ることはできなかった。かくして兄と弟は、1本のロープをにぎり、コースへと踏み出してゆく――。
東京2020オリンピック・パラリンピックをむかえるにあたり年、ブラインドマラソンを舞台に、近いからこそ遠くに感じる兄弟、家族の関係を描き切った一作。日本児童文芸家協会賞を受賞し、2年連続で夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に作品が選出された、児童文学界屈指の書き手、いとうみくが渾身の書き下ろし!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sayuri🍀
140
いとうみくさんの作品はいつもヒリヒリする痛みを伴う。仙台に向かう高速バスに乗っていた朔と新。バスが横転する事故に巻き込まれ兄の朔は視力を失ってしまう。本来なら前日に両親と共に帰省していたはずが、弟の新が母親と衝突した事で運命が変わってしまったのだ。失明の原因は事故なのに、自分を責めて大好きだった陸上を止めてしまった新の思い、そして母親の容赦ない言葉に胸が苦しくなる。ブラインドマラソンに挑戦する事で朔と新、それぞれに光が見えて来た事に救われる。一本のロープを握り共に走る朔と新の姿を想像して涙が溢れた。良作。2020/03/11
美紀ちゃん
134
うるうるポイントがいくつかあり、良い話だった。 高速バスの事故で、失明してしまった兄の朔。 その責任を感じている弟の新。 家族の歪み。 お互いの距離が近すぎて本音が言えないもどかしさ。 兄の朔は勇気があり、とてもいい人。 きっかけはブラインドマラソン。 新が伴走者で朔は走れるように。 毎日マラソンの練習へ行く2人。 ケガをさせてしまった時と、 小さい女の子が絵を描いて持ってきてくれた件のところ、 ラストの大会前の本音を言えた時にジーンとくる。 試験問題にもなっていて、良書。 泣ける本。2022/10/31
chimako
118
家族は難しい。家族だからこそ分かり合えなかったり、素顔を見せなかったり。主人公 朔と新は兄弟。朔はバス事故で失明し盲学校で学び家に帰ってきた。走ることで将来を嘱望された弟は陸上をやめていた。朔は良い青年である。弟は素直になれず投げやりな言葉をはく。そこに絡む母。絶対に言ってはいけない言葉を、一番投げ掛けてはいけない人に言ってしまう人がいるけれど、母は正にそんな弱さを持つ。自分の気持ちをもて余し、誰かを傷つける。その母親に気持ちがざらついて仕方がなかった。話の〆はなかなか。終わり方が良かった。2020/07/30
おしゃべりメガネ
108
はじめましての作家さん。児童文学作家さんですが、いい意味で全然児童文学の枠を超えて、素晴らしい作品でした。とある大晦日の夜、兄弟が乗ったバスが事故にあい、弟「新」は特に後遺症はなかったものの、兄「朔」は目が見えなくなってしまいます。「新」は陸上の有望選手だったにもかかわらず、やめてしまい、すっかりマイナスな生活を送っています。そんな中、「朔」が新たなコトにチャレンジしたいと言い出し、それは『ブラインドマラソン』に出場すること。「新」を'伴走者'にし、大会出場を目指して、二人は衝突しながらも奮起します。2026/01/01
ゆみねこ
108
兄・朔は視力を失い、弟・新は走ることをやめた。高速バスの事故に巻き込まれ、そのバスに乗る原因を作った弟。ブラインドマラソンを始める朔は新に伴走者を依頼する。兄弟だから分かりあえるのか?親子の心はどうなのか?とても難しい問題を綴られた1冊、「車夫」の吉瀬走が登場!これ、続編あったら読みたいです。2020/03/01
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- 和書
- 四つの四重奏 岩波文庫




