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内容説明
ポピュリズムの伸張や専制国家の台頭により、世界各地で脅かされている「自由」。この権利を勝ち取り、経済的な繁栄を成し遂げた国々が、人類史上まれなのはなぜか? 繁栄の前提条件となる個人の自由と安全は、強力な国家=「リヴァイアサン」なしにはあり得ない。しかし国家が強くなりすぎれば「専横のリヴァイアサン」(独裁国家)が生まれ、逆に弱すぎれば「不在のリヴァイアサン」(無政府状態)に堕してしまう。専横と不在のふたつのリヴァイアサンに挟まれた「狭い回廊」に入り、国家と社会のせめぎ合いをへて「足枷のリヴァイアサン」を生み出した国だけが、自由と繁栄を維持できるのだ。では、その道筋とは? 内戦下のシリアから、古代ギリシア、建国期のアメリカ合衆国、現代中国まで、古今東西の豊富な歴史研究をもとに、ますます貴重になりつつある自由を保ち、「狭い回廊」内に留まる方策を論じる。世界的ベストセラーとなった前著『国家はなぜ衰退するのか』をしのぐ傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
38
『国家はなぜ衰退するのか』では収奪的制度から包括的制度に移行するにはどうしたらよいか。包括的制度の中に権力集中と多元主義という相反するフェーズが混入しており、単線的歴史観でつながっていると読めた。この包括的制度が本書では国家の規律(暴力)をリヴァイアサンに例えるホッブスを引用して、足枷のリヴァイアサンという消極的な表現にかわっている。126ページにある通り、国家と社会は消極的な暴力の運用である足枷のリヴァイアサンを目指すのだが、国家が大きく複雑化する過程では、下りのエスカレーターを登るように速く走らなけれ2025/03/04
sayan
22
某TV番組で姜尚中が、忖度政治からの脱却に「強い国家」と「強い社会」を求める発言をした。強い、という表現に「違和感」を持った。丁度パラパラと眺めていた本書が議論を進める。著者の主張を要約すると「自由は、強い国家と社会を必要とする。暴力抑制、法執行を通じて、人々の自由な生活に不可欠な公共サービス提供するために強い国家が必要だ。一方で強い国家を制御し、足枷を通じて制御するには結集した強い社会が必要だ」とする。べき論は美しいが、どこか理想論が過ぎる。60年代(公民権運動)であればリアリティがあったかもしれない。2020/04/29
ta_chanko
10
「自由」は国家と社会の絶妙な力の均衡によって生まれる、奇跡的な状態(=狭い回廊)。「国家」が強すぎれば中国のような「専横のリヴァイアサン」に、「社会」が強すぎれば規範の檻に拘束される。どちらも弱ければ無秩序な「不在のリヴァイアサン」になってしまう。国家による統制と、社会による権力監視・政治参加を両立しなければ、「自由」は実現できない。起源はローマの国家体制と、ゲルマンの集会。「自由」がなければイノベーションも生まれず、長期的には経済成長も望めない。2020/06/01
ふぁきべ
7
世界の政治や歴史のメカニズムを解き明かす強力な議論を本書は展開する。 人々の幸福において必要不可欠な自由は強力な国家を必要とする。強力な国家による法執行なくして、暴力のない平和で自由な社会は作れないからである。一方でその強力な国家は国民を抑圧する圧政に転じうる。現代の中国などがその例に当てはまるだろう。 強い国家による圧政を制御し、足枷を嵌めるには強力なボトムアップの社会で必要で、それに成功している国々は自由と繁栄を謳歌している。 強い国家と強い社会による均衡関係を著者は『狭い回廊』と呼ぶ。2020/03/26
Cana.t.kazu
6
世界がどのようししていわゆる民主化をし,自由を手に入れてきたかをつづる長大な著作。 われわれ日本人が思うそんなことをしていたら発展も民主化もないですよという常識が21世紀の半ばになっても続いていて欲しいと改めて認識させられる作品です。2024/12/06
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