内容説明
平野繭子はかつて、親子ほど年の違う妻子ある作家・仙波雅彦と愛し合っていた。彼の突然の死から15年──。彼女の前に雅彦の息子を名乗る人物が現れる。父親と生き写しの彼に衝撃を受けつつも徐々に惹かれていく繭子。そして物語は思いもよらぬ結末に……。甘美で切ない大人の恋愛と、耽美で幻想的な世界を見事に融合させた極上の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaya
23
小池氏の筆力は、この作でも冴えています。比喩の詩的な、濃密な言葉の世界に酔わされました。恋愛小説ですが、読む進むにつれ、この作品の幻想性が浮かびあがってきます。こういう異界的世界は、小池氏の独壇場でしょう。 2021/02/19
coco夏ko10角
23
二人が最初に会った日の会話で、相手のことを知らなくても存在そのものを憎むことはあるだろう…と思ったから、俊之のことが明らかになったときそうだったのかと。この話、姉が語り手だったら違う面白さがありそう。2020/11/26
小夜風
19
【所蔵】タイトルからファンタジーを想像していたのですが、がっつり不倫ものでうわ~読む時期を間違えたわぁと思いました(タイムリー過ぎ)(苦笑)。奇遇にも今の自分と同じ歳の設定で、いろいろ想像出来てしまう分、何ておめでたい人だろうと呆れてしまったというか…。父親の友人であった男との不倫、そしてその息子とも…って、お花畑過ぎるわ。罪悪感も何もないただただ自分が愛されて幸せだっただけの記憶。誰かに話したくてたまらず、悪びれもせず自慢気に語られる思い出話に、殺意すら湧きつつ、ずっとチベスナ状態で読んでしまいました。2020/01/28
桜もち 太郎
17
24年前、繭子は父親の親友雅之と不義の仲に落ちた。そして死んだ雅之の息子で同じ年の俊之が現われる。二人で雅之の思い出話を語り合うが、必然と互いが惹かれるようになっていく。俊之を通して雅之を見るようになる繭子。この物語自体違和感なく読み進めることができるが、繭子の姉、千春の言動によって違和感が生まれてくる。繭子の孤独な生活が死者を呼び寄せ、彼らとの交流を念じたが故の展開なのだろうか。終盤にきて作者が作り出す異形な者たちが、読み手を静かに魔界に誘うような感じがした。繭子の中に疲れが澱のようにたまっていく。→2021/10/14
Mayrin
11
大人の話。ただの不倫話ではない、ファンタジー?面白かった。
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