内容説明
ある夜、サンフランシスコの活気あふれるジャパンタウン近くで、一家全員が射殺される事件が起きた。サンフランシスコ市警は、現場に残された唯一の手がかりの解読をジム・ブローディに依頼する。それは血にまみれた紙片に記された一文字の漢字であった。全米大絶賛のハード・ボイルドシリーズ第一弾!
目次
第一日 白浪のあとはなけれど
第二日 噂
第三日 王を壊す者
第四日 村
第五日 影の将軍
第六日 ブラック・マリリン
第七日 曾我が語る
第八日 喪失
第九日 絶望
エピローグ
真実性について
謝辞
解説 池上冬樹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
84
サンフランシスコで古美術商と探偵の二足のわらじを履く男、ブローディシリーズ第1作目。日本を舞台にした重厚ミステリかと思ってたら、敵は強大だぞ!な大沢アニキスリラーだった嬉しい誤算♪ 日本人作家さんが書いたといっても信じられるほどの精通ぶり。デビュー作だしツッコミどころやモダモダ感は多々あるけれど、勢いで読ませる冒険活劇。これは絶対に続刊以降面白さマシマシになるパターンだ。グリーニー絶賛のシリーズ3が読みたいぞ! そして野田!あんたにまた会いたい。あんたのことをもっと知りたいいいいぃーと歯軋りする。2020/02/06
Panzer Leader
54
昭和の香りがする大藪春彦風ハードボイルド・アクションとでも言えばいいのか。デビュー作でこれだけの作品なら十分合格点。作者の日本に関する知識・歴史的認識は決して間違ってはいないながらも、現代日本人ならこんな言動はしないだろうと思えてしまうところがチト残念。日本人の登場人物が原=孫正義、その娘=宇多田ヒカル、児澤=児玉誉士夫と連想できてしまうのがちょっと楽しい。「新宿住友ビルの屋上から54階下に落ちたさい」とあるがこれは比喩表現なのか、えらく気になる。2020/07/05
hideo
22
サンフランシスコで古物商を営む主人公。巨大マーケットで起こった殺人事件に巻き込まれてゆく。そこかしこに日本への憧憬が見られ興味深く、物語もスリリングなのだが、解決への流れが、お決まりのようなご都合主義なのが気になる。2020/06/21
DEE
16
久々の手に汗握る一気読みハードボイルド作品。 とある事件に首を突っ込んだことから、日本の地下に巣食う巨大な闇組織に命を狙われることになったブローディ。 そのブローディは亡き父の探偵社を引き継ぎつつ、サンフランシスコで古美術商を営んでいるという、ちょっと変わった設定。日本の描写もよく出てくる。 追われる物の恐怖、次々と襲いくるトラップ、そして裏切りの数々。そしてやはり主人公さ強くなければ。王道といえば王道なんだけど、分厚さを感じさせないパワー漲る読ませる力は見事。面白かった。2020/04/23
一乗寺隼人
13
これは面白かった。アメリカと日本を股に掛けたアクション小説。読んでいてずーっと大沢在昌を思い起こしていた。少々、荒唐無稽とまでは言わないが、粗削りな感じだが、勢いで読ませる。脇役がいいと物語が締まる好例でした。2020/01/16