ROBOT-PROOF - AI時代の大学教育

著者名：ジョセフ・E・アウン【著】/杉森公一/西山宣昭/中野正俊/河内真美/井上咲希

森北出版（2020/01発売）

• ISBN：9784627975217

内容説明

AIとロボットの時代に、大学は何を提供するのか？

人工知能（AI）とロボット技術の進化は、「ホワイトカラー大失業」の時代をもたらすといわれる。産業構造の大変革に直面した人々を助けてきたのは、いつの時代も教育だった。AIとロボットが席巻し始めた現在、「大学」には何ができるのか？　大学はいかにして、AI化・ロボット化にさらされる世界を闊歩できる人材、つまり「ロボット・プルーフ」な卒業生を輩出できるのか？

この挑戦で先陣を切るのが、アメリカ東海岸の名門校、ノースイースタン大学だ。従来の専門知識に加え、大学で身につけるべき「新しいリテラシー」を定義し、とくに実世界に出て行う「経験学習」を重視。世界中の130か国・3000社以上の企業に学部生を送り出す「コーオププログラム」、分野の垣根を越えた高度な専門科目を学べる生涯学習プログラムなど、先進的かつ大胆な同大学のアプローチは世界中からの注目を集めている。本書では、その先頭に立つアウン学長が、アメリカ建国以来の大学制度の歩みを踏まえたAI時代の大学像を提示し、同大学の取り組みを紹介する。

――迷走する教育改革の確かな道しるべとなる、パイオニアからの提言。

「本書は、高等教育が進むべき次のステップに関する卓越したモデルを提示し、行動を喚起する一冊。AI経済のなかで我々はいかに自らを再教育するかについて、前向きで、なにより現実的なビジョンを示している。」――ジェフリー・ボーンスタイン（ゼネラル・エレクトリック社副社長兼CFO）

「この、独創的、刺激的で時宜を得た一冊において、アウン学長は人工知能時代について高等教育が考え方を変え、それに備えるよう促す。」――ヴァルタン・グレゴリアン（ニューヨーク・カーネギー財団会長）

[原題] Robot-Proof: Higher Education in the Age of Artificial Intelligence (by
Joseph E. Aoun)

目次

第1章　ロボットがもたらす未来への懸念
第2章　最高幹部役員からの視点：雇用者は何を求めているか
第3章　未来の学びのモデル
第4章　経験がもたらす違い
第5章　人生を通した学び

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Roy]

AI時代の大学のあり方を論じた書籍。大学はいかにしてAI化・ロボット化した経済社会で活躍できる人材、つまりロボット・プルーフを輩出できるのかを論じている。AI化された経済社会で必要な能力として、リーダーシップ、批判的思考やシステム思考など挙げており、それらの能力を養成する方法として経験学習を取り上げている。コーオプ演習などを事例として挙げているが、この点は従来の教育でも行われていたものであり、違いが曖昧なように感じた。生涯学習については、必要な学びを積み重ねていくことと学位との関係についてが興味深かった。

2021/12/05

[Masakunel]

これからのAI全盛時代に、ロボット・プルーフ(ロボット耐性)を持つ人材を大学が育成するための方策について書かれた本です。著者は、ヒューマニクス(3つの新しいリテラシーx4つの認知能力)という新しい枠組みを提示します。そのうえで、ヒューマニクスのための理想的な教育システムとして、経験学習について詳述します。また、技術の進化のスピードが加速度的に伸びている今は大学として生涯学習の提供が必須であることが説明されています。これらの変化に対応できるかが、高等教育機関の生き残りの分水嶺になるのかなと感じました。

2020/06/28

[Go Extreme]

ギグエコノミー≠フルタイム仕事の代用品　ハイブリッド職：技術的専門知識必要　ロボット・プルーフ：耐ロボット性　高等教育モデル：知的エンジンを改良→創造的マインドセットと知的な柔軟性　労働者訓練→クリエータ育成　新しいリテラシー＝データ＋技術＋ヒューマン　発散的思考：複数の回答を創造的に生み出す　収束的思考：１つの正しい答えを見つける　認知能力：批判的思考・システム思考・アントレプレーシップ・異文化アジリティ　最も優れた教師：経験　コーオプ教育　経験的リベラルアーツ：人文学＋応用的学問　人生を通じた経験学習

2020/03/14