内容説明
哲学って一体なんだ? それは果たして学問なのか。「ポストモダン」などというものが本当にあるのか? 本書は、かつて「ニューアカ」かぶれだった小谷野敦が、自らの哲学書遍歴を開陳しつつ、哲学をめぐる自身の長年の疑問に解答する、ちょっとセンチメンタルな思想読本です。「恐らく最重要な哲学書『存在と時間』」「キェルケゴールのかっこよさ」「構築主義はトンデモ科学」etcと盛りだくさん。附論「東大生は性格が悪い?」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
63
哲学を中心とした学問談。『学問はいずれ「終わる」』というのはなるほどと思った。でも本能寺の変に黒幕はいないとハッキリしてもなお陰謀論を出して来る研究者がいる。終わったものを味が無くなるまでしゃぶる人はいるものだとふと思った。東大生は性格が悪いかというオマケも楽しく読んだ。2019/11/05
軍縮地球市民shinshin
5
女性学は学問ではない。なるほど。2020/01/24
原玉幸子
4
学術的に、哲学は元より宗教や文化・文学、言語学等に言及し、「こうでしょ」と批判も厭わずに言い切る切り口が痛快です。副題に関しても「構造主義とは学問の方法であって哲学ではない」と、これも又、明快故の目から鱗。但し、巻末人名索引をちょっと数えただけでも430人内外、彼らの著作全部とは言わずとも、3、4割はどんな人かを或る程度知らなければ、著者のユーモアを感じて読めないので、読者はそれなりの一般教養を試されます! 生半可な知識で哲学を趣味的で語ると、著者に、ば~かと言われてしまいそうです。(◎2019年・冬)2020/04/24
tamami
4
本書を読みながらまず何よりも著者の、広範かつ圧倒的な読書量に驚かされる。学者、評論家という類いの人たちは、これほどまでに本を読まなければいけないものなのだろうか。生活の糧ということならそういうことなんでしょうね。本書は、古今東西に渡る哲学、文学、歴史、その他その周辺の、著作や著者に関するゴシップ集、というのが当たっているように思う。引用されている膨大な著作について、全部に当たることは不可能に近いけれど、興味のあるところを二三掘り下げて原著作を繙くのは、読書の醍醐味の一つと言えるのではないか。2019/11/16
オールド・ボリシェビク
2
19年の10月、刊行されたばかりの時に読んだけど、思わず再読してしまいました。このだらだらとして、ちくちくとしたイヤミな文体がたまらないんだよな。年代も近いので、共感できる部分も多いし。いずれにせよ、面白い著者だよ。孤高の人だよ。2021/02/04