内容説明
哲学って一体なんだ? それは果たして学問なのか。「ポストモダン」などというものが本当にあるのか? 本書は、かつて「ニューアカ」かぶれだった小谷野敦が、自らの哲学書遍歴を開陳しつつ、哲学をめぐる自身の長年の疑問に解答する、ちょっとセンチメンタルな思想読本です。「恐らく最重要な哲学書『存在と時間』」「キェルケゴールのかっこよさ」「構築主義はトンデモ科学」etcと盛りだくさん。附論「東大生は性格が悪い?」を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
71
「ポストモダンのインチキ」というのが副題で、こっちの方が内容に合致してるか。佐野洋子の『100万回生きたねこ』は、著者によると「赤い糸幻想」を若者にまき散らしている悪書で、私なんかは普通に感動的な童話だと思っていたし、小学生の息子にも買い与えていたので、その指摘に目から鱗が落ちた。あと哲学者はモテ男で、キェルケゴールもサルトルも中島義道も女性に不自由しなかったらしい(シオランもか?)。それにしても本書が19年刊、以後、著者はこの手の時論だったりエッセイだったりを上梓していないと思うが、ファンとしては残念。2025/06/08
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
63
哲学を中心とした学問談。『学問はいずれ「終わる」』というのはなるほどと思った。でも本能寺の変に黒幕はいないとハッキリしてもなお陰謀論を出して来る研究者がいる。終わったものを味が無くなるまでしゃぶる人はいるものだとふと思った。東大生は性格が悪いかというオマケも楽しく読んだ。2019/11/05
軍縮地球市民shinshin
6
女性学は学問ではない。なるほど。2020/01/24
原玉幸子
5
学術的に、哲学は元より宗教や文化・文学、言語学等に言及し、「こうでしょ」と批判も厭わずに言い切る切り口が痛快です。副題に関しても「構造主義とは学問の方法であって哲学ではない」と、これも又、明快故の目から鱗。但し、巻末人名索引をちょっと数えただけでも430人内外、彼らの著作全部とは言わずとも、3、4割はどんな人かを或る程度知らなければ、著者のユーモアを感じて読めないので、読者はそれなりの一般教養を試されます! 生半可な知識で哲学を趣味的で語ると、著者に、ば~かと言われてしまいそうです。(◎2019年・冬)2020/04/24
tamami
5
本書を読みながらまず何よりも著者の、広範かつ圧倒的な読書量に驚かされる。学者、評論家という類いの人たちは、これほどまでに本を読まなければいけないものなのだろうか。生活の糧ということならそういうことなんでしょうね。本書は、古今東西に渡る哲学、文学、歴史、その他その周辺の、著作や著者に関するゴシップ集、というのが当たっているように思う。引用されている膨大な著作について、全部に当たることは不可能に近いけれど、興味のあるところを二三掘り下げて原著作を繙くのは、読書の醍醐味の一つと言えるのではないか。2019/11/16
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