内容説明
都築は羽生に言った。「挑戦をしなさい」「未知の世界に向かいなさい」そして、こう言い続けた。「芸術家になりなさい」。オリンピック連覇を果たした羽生結弦。幼き日の羽生を見出し、徹底的に基礎を教え続けたコーチが都築章一郎だ。五〇年以上にわたり日本フィギュアスケートの発展に貢献してきた名伯楽は、現在も精力的に多くのスケーターに指導を続けている。都築が若き日に、フィギュアスケートの手本としたのが芸術大国ロシアだった。私財をなげうち、日本のフィギュア界の礎のために世界を奔走してきた生き様、そして知られざる日露文化交流史をも描く!
目次
序章 エドゥアルド・アクショーノフは語る
第一章 都築章一郎は語る
第二章 アレクセイ・ミーシンは語る
第三章 都築章一郎はふたたび語る
第四章 ヴィクトル・ルイシキンは語る
第五章 都築奈加子は語る
第六章 タチアナ・タラソワは語る
終章 都築章一郎は三たび語る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
11
幼時からカナダ移籍直前「高校生まで(小学生まで、と思われているのは心外なようだ)」教えた師を巡るフィギュア黎明期の開拓者群像、ロシア多め。日本フィギュアを向上させるためのルイシキン自腹招聘など驚きのど根性。ミーシン、タラソワの言葉やチラッとトゥクタミも。全編通し日本(ロシア人は、ロシア)スケ連への不満が通底。大変面白い。しかし中高時、振り付けと帯同コーチをしていた阿部奈々美さんの存在は羽生結弦史の中でなぜ触れられない…事実として、いたし映像あるし今も交流あるのに不可解感残る。都築先生には4A見届けてほしい2020/01/21
スプリント
7
卓球といいフィギュアといい若手育成に力を注いだスポーツが結果をだしていますが、フィギュアはかなり個人の尽力によるところが大きかったようですね。2020/05/02
Melody_Nelson
7
友達から借りた本。都築先生の話はところどころで読んでいたが、まさかここまで熱い人だったとは知らなかった。協会の冷たさは、今と変わらない感じ?本書ではミーシンやタラソワなどのインタビューから、ソ連時代のフィギュア事情も垣間見れ、そうした点も面白い。だが、相変わらずの宇都宮さんの文章には馴染めず(変に凝った文章はやめてほしい)、ちょっと「惜しい」感は拭えないのだった。2020/03/16
みずほ
6
★★★★★ 日本フィギュアの黎明期から私財を投じてまで今の基礎を作り上げた功績は多大。私利私欲なくフィギュアを純粋に愛する人ほど今の日本のフィギュア界では冷遇されるのはとても残念なこと。ロシアのDNAを日本に移植した。羽生選手のロシアへの傾倒には都築先生の影響が大きい。ロシアの3人の重鎮たちの羽生選手への絶賛が嬉しい。正しい基礎を繰り返し練習させる重要性…今のフィギュアの選手たちをみてもつくづく感じる。ロシアの厳しさを知ると今のロシアのレベルの高さは納得。都築先生に羽生選手の4Aの完成を見せてあげたい2020/02/20
きゃべつ
4
これは日本のフィギュアスケートの歴史ですね。本当に銅像を建ててあげたくなります。連盟のトップにはこういう人が立つべきですね。バンクーバーの真央ちゃんのエピソードを読むと全員退陣していただきたい。2020/02/04
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