内容説明
「アラカン男の鼻息とアラサー女のため息」。男(秀一郎)/喫茶店で見かけたいい女(乃絵)に勇気を出して話しかけ、調子にのって自分が社長をやっている某食品メーカーの子会社(食品メーカーの備品を扱う業務)に社員として雇って、愛人を囲ったつもりで得意げになり、社員たちから密かにばかにされている。
女(乃絵)/生活苦から喫茶店で声をかけられた秀一郎に誘われるまま、その会社で働き出すも、聞いていたのとは違うショボい会社。男の「自分の女」感がうざい。デザイナーの夢を復活させ、しばらく放棄していた服作りをまた始める。2006年に単行本刊行された“知られざる傑作”を満を持して文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nemuro
12
初遭遇の作家。どんな本なのかイマイチ分からず、帯の「オススメ!アラ還男の鼻息とアラサー女のため息」や、同じく帯裏面の「子会社に出されたサラリーマン社長(暴走ジジイ)と夢に挫折した服飾デザイナー(冷めた美人)。出会うはずもないのに出会った二人」などからボンヤリとイメージしながら読んでみた。極端に遅読な私が、2、3日で読み終えたのだから、それなりではあったのだが、正直、もう一息だった気もする。1955年生まれの著者が2006年(51歳頃)に書いた本の文庫化。58歳でジジイ呼ばわりはちょっとキビシイのでは。2019/10/19
yamakujira
5
デザイナーの夢を中断した乃絵は、街で出会った秀一郎に誘われ、生活のために彼の会社に就職する。親会社から子会社の社長に収まった秀一郎の権限で入社させた乃絵に、愛人のように接してくる秀一郎にうんざり。上におもねり下に威張り、自分勝手な理屈ばかりで嫌われても自覚なし、ここまで横暴な男はイマドキいないだろう、いるのかな。乃絵はコンテストの応募を決め、秀一郎が少々自省したところで物語は終了、ふたりの対照的な未来が想像できるけれど、こんな夫でもほだされてしまうのは、長年連れ添った温情なのだろうか。 (★★★☆☆)2021/02/03
あざすたしあ
4
一応子会社の社長に収まってるがうだつのあがらないおじさんと、野心に生きようとしたが恋と仕事を失った28歳の女性。おじさんが彼女に一目ぼれして自分の会社に来るように声をかけて…お互い「圏外同士」なのに同じ世界で生きることになってしまった男女の悲哀。みたいなことなんでしょうか。出てくる人が全員愚かしくてイライラした。絶対再読したくないし人にも勧めたくない。2019/10/16
kyomasa99
3
初めての作者さん。ちょっと良い評価の作品と思って読みました。欲望やプライドだけ高くて無能な初老の男の物語。ハッピーエンドとは最初から思わなかったけど、こんなに惨めにしなくても、と思いました。自分がこんな行動をとることはないと思いつつ、人からはこんな風に見えるのかと思うと悲しくなります。2020/08/17
みのりん
3
2019年に1版印刷だが、2006年に単行本が刊行。初読みの作家サンでした。面白くなりそうで、無難なところで話をまとめているところが、残念(*_*)2020/06/05
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