内容説明
倒幕の黒幕となったグラバー、野望の生涯。武器商人として長崎随一の財を成した男が見据えた幕末の裏面史! 列強に蝕まれる上海から、長崎・出島を訪れた若き英国商社員トマス・グラバーは、坂本竜馬、高杉晋作、五代友厚ら、維新を目指す若き志士たちと深く交わる。薩摩藩の信用を得たグラバーに、倒幕の鍵を握る艦船取引という大きな商談が持ち込まれた。開国に揺れる日本を裏面から怜悧に見据えた異人の、真実の一代記。<上下巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
46
幕末の長崎にやって来たイギリス商人トーマス・グラバーが主人公の歴史小説です。私の好きな直木賞作家の白石一郎氏の作品だけあって、相変わらず読みやすく面白いです。外国人目線の幕末の日本を垣間見る事が出来て、とても新鮮で引き込まれる内容となっています。開国した当時の日本の幕府の状況なども非常に右往左往していて、グラバー達も振り回されます。新天地での商売を行っていく大変さが非常によく分かりました。尊皇攘夷の時代であり、外国人達からしたら命の危険もある時代で、その事もとても伝わる内容となっています。2017/05/08
さいたまのたぬき
17
海ものの時代物といえばこの人 白石一郎さんの小説から「異人館」です。 ひょっとするとNHKでドラマにもなった 「十時半睡事件帖」で知っている方もいるかもしれませんね。 異人館の主は幕末の歴史をたどっていれば 必ずと言っていいほどその名をきくグラバー。 この物語ではそのグラバーを中心に 普段とは違った視点で幕末が描かれます。2014/09/30
TheWho
13
長崎の観光地グラバー邸の主で、幕末の日本で活躍したスコットランド出身の商人トーマス・グラバーを海を題材にした歴史小説の大家が描く外国人商人の視点で描く上下巻の幕末一代記。日本で刃傷沙汰を犯し清国に密航した山村大二郎こと林大元は、イギリスから来航した商人グラバーと上海で出会い、新たな商売をする為に一緒に長崎に渡る所からこの物語は始まる。日本では、幕末の風雲の中で、著者「天翔ける女」の主人公大浦慶や五代友厚等の幕末志士に出会いながら商売を発展させ、ついに独立を果たす。下巻の展開が楽しみです。2018/10/11
yukision
8
幕末に商人として活躍したグラバーを主人公にした歴史小説。五代才助(友厚)や小松帯刀との交流も描かれ,ディーンフジオカや瑛太を思い浮かべながら読んだ。下巻へ。2019/03/13
バトルランナ-
5
感想は下巻2022/06/18