内容説明
・1981年~1983年の思索が成熟しつつある時期に書かれた著作群を、発表年月日順に収録。
・著作集・単行本未収録の「イラン・イスラムの黙示録」は、イランでの生活やホメイニ革命について語る貴重な逸品。旧友や師をセンチメンタルに語るエッセイも収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みねたか@
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稀代の専門家が分かり易く語る講演録。「イスラーム文化」では遊牧民と商人,アラブ的価値とペルシア的価値等、異なる伝統的価値体系の激突を通じ世界宗教となっていく過程を描出。「コーランを読む」は、当時のアラビア半島の社会的文化的状況を背景に、いかにイスラームが革新的な教えであったかを「開扉の章」7節で集中的に解題。これでコーランを読む入口に立てた気がする。そして亡き長年の友との交遊を描いた「幻影の人」。学者,思想家としてはもちろん。文筆家として超一流であったことを教えてくれる。2019/04/12