内容説明
捨て去りたい因縁を抱えた男女。新たな道で生かすため。月丸十兵衛、過去を洗い流す。
「洗い直して貰いたいのは…、この私、なんです」そう言って、艶めかしい女は、洗いに出す喪服と袱紗に包んだ小判を置いていった。谷中富士見坂で、洗い張り屋をする月丸十兵衛の裏稼業“洗い屋”を知ってのことらしい。さっそく彼は、仲間の遊び人・菊五郎、湯屋の主人・半次、占い師・さつきとともに、彼女の素性に探りを入れる。その数日後、彼女の旦那が殺されて…。
※本作品は、「洗い屋十兵衛 江戸日和 逃がして候」を加筆修正した新装版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
141
洗い屋十兵衛江戸日和「逃がして候」1巻。過去の履歴をリセットさせて新しい人生を送らせてあげることを裏で生業とする、洗い屋十兵衛とその仲間、人情ありで面白いですね、次巻以降十兵衛さんの過去が判るのかな、それとも十兵衛さんも洗いなおしてもらったかも?2015/04/17
コブタ
1
シュワちゃんの「イレイザー」みたい。お気楽に読めました。もしかして洗い屋十兵衛も洗われた?2015/09/18
kazukitti
1
FBIの証人保護プログラムみたいに過去の履歴を抹消・リセットして人生送らせるという仕事人みたいなー。市井人情モノですかね。ただ、こう、主人公の履歴が謎のままで、そういう裏の仕事ってそんな簡単に出来るものなのかなーとか細部は気になりますわな。今みたいな戸籍がないだけで、色々シガラミもあるだろうし、リセットされた先での生活もあるだろうし、現代とは違った意味でのそうした面倒臭さはあると思うんで、そーゆー部分ははしょちゃってんのねーという物足りなさもある。けど、まぁ、ドラマとしてはそんな流れで十分な気もした。2012/10/25
まりりんりん
0
「喪服の女」「穢れた打掛」「花魁の緋縮緬」「月見草と二人羽織」四話。 誰かから逃れるために、あるいは過去のしがらみを消すために、希望ある明日を生きるために、自分を洗い直してもらう人々。それを手助けする「洗い屋」の面々。ややご都合主義的なところもあるけれど、十分楽しめるエンターテイメント。 さすがにドラマの脚本を書いているだけあって、情景が目に浮かぶ。2011/07/09