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内容説明
誘拐され父親に見捨てられた息子。虐待を受けた少年を引き取った精神科医。ガールフレンドに捨てられた男、あこがれの舞台女優に拒絶された少年。そんなやりきれない毎日に、寄り添ってくれる誰か――。美しい構図と研ぎ澄まされたセリフでアメリカの孤独を描き出す、多田由美の傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
adri8na
2
うつむいた顔のやるせない事と言ったら、ないね。伏せられた目や凍えそうにしている鼻の形から目が離せない。とてもさみしいを形にしてるね。美醜など形など、ただ、骨の上に肉が乗っているだけで、何と言う事もない。みてくれはしょせんは容れ物。私も冷めているなと思う。だから私が彼女の作品には感応するのは、視覚は道具でだけあって、感情や本能を直に刺すからだ。上を見上げた顔の、母親にすがる幼い子供のそれのような、怯えと甘えが入り混じった表情の切なさと言ったら・・・笑いながら諦めてしまうね、取るに足らない、いろんな事を。2014/10/06
🐰
1
表紙(カラー)とモノクロの絵の印象が違った。 英字が合いそうなスタイリッシュな線。 そして、表情で語る漫画が良かったです。2011/03/14
F
0
映画の一場面を切り取ったような短編集。乾いた空気に包まれた不思議な作品たち。すべてに共通しているのは男同士のいびつな依存関係。共感も理解もし難い…。クールなイラストに物語がついたと思えば悪いものではないけれど、漫画だと思って読むと、人にはおすすめできないかな。2015/08/02
なこ
0
ジョンとケン、この二人の関係が好きだ。トパーズや父親に対する気持ちを吐露している二人が好きだ。ケンカをした雨の中、沈黙のまま佇んでいる二人が好きだ。ケンカをしても、直に笑い合っている二人が好きだ。「ベイビー・ジョン。笑えよ。」このセリフがたまらないね。 2013/02/27
Takuo Iwamaru
0
エッジの効いた線、ソリッドな表現。などと、あえて横文字で評したくなる作品。モノクロームと線で織りなす、やるせなく、やりきれなくも、繊細で優しすぎる人びとのスケッチ。作品全体にただようあやうい感じ。線の細いガラス細工を手にのせた時の不安をおぼえる。作者は実際にアメリカに行ったことがあるのでしょうか。いや、行ってもいなくても、画面から伝わる「アメリカ」な空気は、アメリカに行ったことのない僕にも伝わってきました。暴力と赦し。虚飾に満ちたセリフとその奥に潜む切実な叫び。ジム・ジャームッシュの映画を見るようです。2011/12/05
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