平凡社ライブラリー<br> 生命の樹

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平凡社ライブラリー
生命の樹

  • ISBN:9784582768916

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内容説明

昨年、ノーベル文学賞の代替賞ニュー・アカデミー文学賞を受賞したカリブ海作家の自伝色の濃い代表的長篇小説を復刊。原著は1987年刊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三柴ゆよし

20
個から普遍へと突き抜け、至るところにはりめぐらされていく文学の「根」の力を感じた。カリブ海はフランス領グアドループに勃興した、ある成金一族の四代にわたるピカレスク年代記といえば、なるほど『百年の孤独』フォロワーかと合点する方も多かろうが、『百年の孤独』では、あくまで外部から「流入」する人と物が物語に駆動力を与えていたのに対して、本書の顔たるルイ一族は、自分たちの側からどんどん外の世界に「流出」していく。何度も反復される内/外の往復運動は多くの出会いと別れを生み、物語世界はよりにぎやかに、極彩色に彩られる。2020/04/14

hiroizm

17
カリブ海のフランス海外県のグアドループ島の黒人家族4世代の壮絶な物語。語り手の曽祖父がパナマ運河建設従事をきっかけに、白人以上に搾取しまくり成り上がるプロセスに圧倒。「黒いシャイロック」と揶揄される強欲さに凄みがあった。また差別による屈辱からの白人、ムラートへの強い排他感情が、のちの家族に様々な悲劇をもたらしているのも痛切。フランス、アメリカ、ジャマイカと舞台のスケールも大きく、カリブの黒人一家を通して20世紀の黒人解放運動史を俯瞰できる優れものの小説。タイムリーな読書で感慨深いものがあった。 2020/09/05

アマヤドリ

15
熱みなぎる根から派生した一族があるものは世界を放浪し、あるものは頑固なまでに土地を守り、枝を広げてゆく。物語とはたしかに、自分ひとりでは抱えきれなくなった膨大なそれを手に取る手段ではあるけれど、ひとりが持てるものを深くふかく広げてくれるものでもある。2023/12/17

geromichi

5
良い小説でした。カリブを好きな人にもぜひ。2024/11/12

Tozza

2
『百年の孤独』をよりシリアスに、よりグローバルに北米やフランス本土などを舞台にした三世代にわたる家族の年代記。2024/09/17

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