内容説明
ポーランド発怪作ミステリーシリーズ第2作。
古都サンドミエシュのシナゴーグで見つかった女性の遺体。咽喉元を幾重にも切り開かれ、体中の血を抜かれて不自然なほどに真っ白になった「名士の妻」の無残な姿に、町の人々は騒然とする。独り身となりワルシャワから新天地に赴任した傷心の検察官シャツキは、久しぶりの大きな事件に腕を鳴らすが、やがて第2の遺体が発見され……。
欧州一ボヤく男、中年検察官シャツキが殺人事件の謎を追う「地獄めぐりの旅」。第3作『怒り』、第1作『もつれ』で日本のミステリーファンを驚かせた「ポーランドのルメートル」による怪作シリーズ、衝撃の第2作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっちゃん
26
ポーランド、そういえばいろいろ歴史の何かあったなぁ!歴史に疎いもので…(笑)ユダヤ人やら何やらは日本人にはちょっと理解が難しい心情的なものがあるのか、私的にはピンと来ないオチになるのか?と思ったら…やはりミステリーは世界共通か( ̄▽ ̄)2022/08/19
み
23
この主人公のシャツキさんは、何なんでしょう?女性にだらしなさすぎよね、こんな検察官って、それでボヤいてばかり。なのに、最後のトコでは冴えまくりです(@_@)も少し女子とのやり取りがなかったら読みやすいのに、お話の筋は面白いのにねぇ。もう一作あるようなので、読みます♪2022/05/04
グラコロ
14
ワルシャワからサンドミエシュに赴任した検察官シャツキに難事件が。市議会議員の妻の惨殺体が見つかり、鋭利な刃物で喉を何度も切り裂かれ、全身から血が抜かれている。夫のアリバイは怪しいが2番目の犠牲者に、樽の上で逆さづりにされて殺される。マスコミはユダヤ人による儀式殺人だと騒ぎ立てるが…。ポーランドでは大戦前からユダヤ人への偏見や迷信から根深い反感と複雑な感情があり、そしてナチスやソ連支配を経て半ユダヤ、反共、反キリスト教会などが入り雑じり複雑怪奇な社会が興味深い。シャツキは私の中ではちょいボウイ。ぼやくけど。2020/10/02
ヒサヒサ
8
ポーランドのユダヤ人の存在やユダヤ人への感情等、なかなか日本人には窺い知れないところが興味深いですね。怒りを読んだときよりいい印象です。お薦めです。2020/03/06
一柳すず子
5
主人公が不倫のゴタゴタから逃げこんだ地方都市で凄惨な殺人事件が起こる。ポーランド人とユダヤ人の血と憎しみの歴史に振り回されながら犯人の真の動機へ迫っていく。巧妙にミスディレクションされてあ、そういやそうだった、と我に返った。前作より面白い。2020/10/18