内容説明
即身仏を志す盗賊の心情、信長の影武者をめぐる謀略、蹴鞠(けまり)に入れあげ乞食に身を落とす今川氏真の運命、討入りを脱落した高田郡兵衛の苦衷、首斬り浅右衛門家に養子に入った男の巧妙な計算……。「志願」というユニークな視点から歴史の謎を切りとった、9編の意欲連作。多年、本格推理界をリードしてきた著者が、卓抜な着想と絶妙の語り口で、我意と妄執に憑(つ)かれた人間のすさまじい情念の世界を抉り出す!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanamori
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☆☆☆ ミイラ志願、偽首志願、乞食志願、妖怪志願、不義士志願、飲醤志願、首斬り志願、女賊志願、渡海志願の全8編2018/01/02
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
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☆×4.5…歴史小説に、作品によっては若干のミステリー要素を含んだ作品たち。中にはオチが「なんてこったい」といいたくなるような非現実的な作品があって驚かされたり。(今現在では絶対にありえないオチ)だけれどもそんな作品ですら、人間のいい所であり、悪いところをきちんと捉えています。面白い作品は表題作でしょう。どんなに罪を改めようとも結局は自分がいとおしい、と言うのはやはり本能的なもので。しかし、この表題作の男、本当に恨まれていたのね…2012/03/25