内容説明
「どうして自分はあのことを忘れることができないんだろう?」
剥きだしの叫ぶが響く、著者の初期傑作。
美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。
それは、昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意だった――。
東大卒出版社勤務、驚異的な記憶力を持つ「僕」は、同時に3人の女性と関係を持ちながら、誰とも深いつながりを結ぼうとしない。
その「理屈っぽく嫌味な」言動の奥にあるのは、絶望なのか渇望なのか。
彼の特異な過去を知った枝里子は。
「自分の人生にとって本質的なことからは決して逃れられない」
切実な言葉たちが読む者の胸を貫いてロングセラーとなった傑作が文春文庫に登場。
解説・窪美澄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A
21
端から見ればスマートに生きてるようで、そんなひねくれた考えをしてるのかという主人公。こういうタイプはイケメンじゃないとただのイタい奴になってしまうのかな。2020/10/23
JKD
20
僕こと松原直人、いったい何者? 放っておけない男?小難しい哲学みたいな人生観で淡々と自己を肯定するナルシスト? ものすごい言葉の量と圧力で死生観を語るシーンは圧巻。どこかざらりと共感できるところが幾多あり、何故かわからないけどグイグイ引き込まれていきました。2019/12/05
そうたそ
14
★★☆☆☆ 主人公の男を屁理屈を捏ねているように思えるか、その哲学的な部分に共鳴するか、まさに人によって読み方が変わりそうな一冊。引用する文章の数も多く、個人的にはどうにもくどく思えてしまう内容。この哲学的な語りのような文章が好みに合うかどうかというところ。2021/01/28
あぴこ
14
直人の人を区別して決めつける考え方は不快で、彼の気持ちは簡単には届かない。そういった自分を理解しながら混沌の日々を苦々しく生き、幾つもの人生論を巡らせ...はたして彼は壊れていたのか。想像してみる。自分の足元から繋がっている全てのものが自分だと。そうしてみて自分を愛するという事を考える。2020/11/19
時代
14
しちめんどくさい奴だった。理屈ばかりの自己中心的なひどい奴。同情の余地なしと感じた私はノーマルで正常な感覚のもちぬしでいいですよね△2019/11/24
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