日本経済新聞出版<br> 変わる事業承継

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日本経済新聞出版
変わる事業承継

  • ISBN:9784532322946

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内容説明

持続的発展のヒントは欧米のファミリービジネスにあり!
「権力集中型」か「集団統治型」か
柔軟性を持った新しい事業承継のかたちを提示する

経営者の高齢化等で、ますます深刻化する事業承継問題。
日本では事業承継というと、特定の後継者(長男など)に支配権を集中させる「権力集中型」が主流だ。しかし、この方法には、1後継者が無能な場合に追い出す術がなく、またファミリー内で不公平感が醸成されるなど、ファミリーの一体性が失われる場合があることに加え、後継者に課される多額の相続税(贈与税)を回避するために、2事業とは関係のない、本末転倒ともいうべきタックス・プランニングが横行する、という問題が指摘できる。それらの要素が、日本のファミリービジネスの力を削ぎ、企業価値の低下を招いている側面は否定できず、日本の多くのファミリービジネスが孫の代までに終焉を迎えてしまう一因にもなっている。
一方、欧米のファミリービジネスにおいては、意思決定のあり方やガバナンス、企業価値の算出など数歩先を行くファミリービジネス研究が実践に活かされた結果、ファミリー全体で会社を統治する取り組みが導入されている。このような「集団統治型」の事業承継は、ガバナンスが実効的に機能している限り、「権力集中型」と比べ、ファミリービジネスの永続性が担保される仕組みであるという評価ができる。

本書は、日本を代表する経営系法律事務所の弁護士・税理士で構成する専門スタッフが中心となり、諸外国の具体的事例を示しながら、日本企業の事業承継に取り入れるべき「集団統治型」の新しい事業承継モデルを提言するもの。具体的には、会社法が定めるデフォルトルールを用いた仕組みの代わりに、信託・組合・財団等を用いた仕組みを、各ファミリーの個別事情を踏まえつつ柔軟に構築していくための基本的な考え方やノウハウの提示を目指す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Great Eagle

8
オーナー企業の事業承継の新しい提言です。従来の節税視点からのアプローチではなく、企業価値向上を意識したスキームとして、ファミリーオフィスやファミリーガバナンスを社団法人や公益財団法人なども用いて、配当受益権と議決権の執行あるいは経営判断などエージェンシー問題をどのように解決するかを模索する内容です。欧州貴族の発想かな。2020/01/27

てりたま

0
※メモ。「二代目社長のための事業承継読本」を読んだ。中小企業のことがよくわかっていなかったので立ち読み。経営をする側の視点になることができ、よく理解できた。税金の知識を深めたい。2020/12/30

ヨシシィ

0
後継者に議決権を集約する「従来型の事業承継対策」に対して、ファミリーガバナンスをベースとした新しい事業承継対策を提唱する。 後継者に権力を集中することの弊害、限界が存在することも事実と思われ、一つの選択肢かもしれない。2019/11/25

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