日本経済新聞出版<br> もう泣かない電気毛布は裏切らない

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日本経済新聞出版
もう泣かない電気毛布は裏切らない

  • 著者名:神野紗希【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 日経BP(2019/10発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532176785

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内容説明

俳句甲子園世代の旗手、待望の初エッセイ集

恋の代わりに一句を得たあのとき、私は俳句という蔦にからめとられた。

幼い息子の声、母乳の色、コンビニのおでん、蜜柑、家族、故郷……日常の会話や風景が、かけがえのない顔をして光り出す。

人は変わらないけど、季節は変わる。言われてみればそうかもしれない、と頷く。
定点としての私たちが、移ろいゆく季節に触れて、その接点に小さな感動が生まれる。過ぎ去る刻をなつかしみ、眼前の光景に驚き、訪れる未来を心待ちにする。
その心の揺れが、たとえば俳句のかたちをとって言葉になるとき、世界は素晴らしいと抱きしめたくなる。生きて、新しい何かが見たいと思う。(「あとがき」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

61
今の季節にピッタリ。暖かくなり始めてきた、春の日差しの中にいるような気持ちになれる。日々の営みを、何気ない言葉で綴られているのだが、そこがやがり、俳人の眼があって、少しだけ切り取り方が違うように思う。神野さん自身の変化(特に、お子さんの誕生と成長)も描かれていて、微笑ましい。ますます、俳句に興味を持った。一句、ひねってみようかなあ~・・・。2022/04/06

チェアー

16
同じイベントに接しても、子どもができる前と後とでは感じ方が違う。しかも子ども子どもなりに感じていて、その感じ方も新鮮に思える。日々のなにげない感じ方を俳句や詩歌をまじえながら描いていくエッセイ。文章がすっきりしていて読みやすかった。俳句がどのようにできているかも分かって楽しい。2019/12/15

もえ

14
俳句の聖地松山に生まれ、高校時代に出会った俳句甲子園がきっかけで俳人となった神野紗希さんのエッセイ集。日常の中で詠まれる俳句はどれも親しみやすく、あらためてみずみずしい日本語の美しさに驚嘆する。結婚して子育てしていく中で詠まれる俳句も、四季折々の身近な生活を楽しんでいる。帝王切開中の痛みも高浜虚子の句を唱えながら乗り切るという、根っからの俳人である紗希さん!3歳の息子の言葉が詩的で(それを受け止める紗希さんの感性も鋭い)、病臥中の子規の目線と同じく、子どもの目線でしか捉えられない美があるというのに納得。2023/05/22

テイネハイランド

11
図書館本。松山生まれの俳人・神野紗希さんのエッセイ集。自作の俳句をはじめ他の人の俳句(「書を読むや蚊にさされたる足の裏 子規」)や短歌(「呼吸する色の不思議を見ていたら「火よ」とあなたは教えてくれる 穂村弘」)が引用されていて一種のアンソロジーとしても読めます。神野さん自身の句にはそれほど感心はしませんでしたが、彼女の文には見るべきものがあるように思いました。本書の文では、故郷・瀬戸内海の海の情景と他所の海の情景とを比較してイメージの違いについて思いをめぐらした「その町のかき氷」が一番印象に残りました。2023/07/16

ぱぴい

8
「もう泣かない 電気毛布は 裏切らない」帯に書かれたこの俳句。今どきの絵。俳句が一話ごとに出てくるエッセイ。めったにハードカバーは買わないのに、しかも1700円もするのに、私は迷うことなく買った。買ってよかった。俳句に持っていたイメージを一掃してくれた。そっかあ、日常からこうやって俳句って生まれるんだ。なかでも、まだちっちゃい1人息子くんとのエピソードが微笑ましい。有名な小林一茶の「やせがえる、、」を引用しながら、負けることを受け入れられるようになった息子くんが、自分も負けて「お互い負けちゃったね」って!2020/10/04

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