内容説明
ある夜。タクシー運転手のこはるは、家族に暴力を振るう夫を殺害してしまい、15年後に必ず戻ると約束して自首する。そして――15年後。母は約束通り帰ってきた。母が起こした事件によって人生が大きく変わってしまった三人の子どもたちは、再会した母とどう接するか戸惑い……。家族の崩壊と再生を描く、劇作家・演出家・俳優の桑原裕子が主宰する劇団「KAKUTA」の代表作を小説化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
129
事件のせいで内定が取り消しになった長男、周囲の目が気になり専門学校をやめ美容師の夢をあきらめた長女、家を出て行った次男、トラウマは理解できるが戻って来た母に直接口にすることはないだろうに。このシーンは必要なのかわからない。むしろ世間はDV被害には同情的だろうに。会話が多くて説明が足らなくて映画や舞台ならそれでもよいだろうが小説は違うと思う。物足りないまま終わってしまった。題材がよいだけに残念だ。DVの父を殺し完全犯罪を成し遂げようとした高校生は嵐の二宮君だったが、DV夫を車でひき殺す母は田中裕子さんだ。2019/10/07
相田うえお
116
★★☆☆☆19095 この作品の映画の公開予定は2019年11月8日との事で、まずは小説で楽しんでみようと手にとりました。読んでみての感覚としては劇団の舞台がルーツだけに、文章(本)よりも映像化の際の監督や役者さんに期待をしてしまいます。佐藤健さん、鈴木亮平さん、佐々木蔵之介さん、そして田中裕子さん、他、凄いメンバー!この作品、家族への乱暴が絶えない夫をタクシードライバーである妻が轢殺。自首後15年経って家族のもとに戻って来て...という内容ですが、起承転結というよりも各シーンを大切にした構成でした。2019/10/14
H!deking
96
白石監督が映画化するということで読んでみました。うん、題材は面白いんだけど、セリフが多くてとにかく読みにくい。はまるのに時間がかかりますね。映像で見た方が分かりやすいんだろうな。当然だけど。映画は楽しみ!2019/10/24
シナモン
96
購入本。映画の予告でこれは観たい!と思いその前に原作を。暴力をふるう父親から子供たちを守るため夫を殺してしまった母。ひとよ…一夜…母がこどもの幸せを信じて行動を起こしたあの夜からがらっと変わったそれぞれの人生。そして15年の時を経て突然母が現れる…。ただただこどもの幸せを願った母と、殺人者のレッテルを貼られ、思うような人生を歩めず、もがき苦しむ中、いきなり現れた母に戸惑うこどもたち。ちょっと読みづらかったですが、内容の重さは伝わりました。映画もぜひ観たいと思います。2019/09/28
mint-s
60
母が暴力夫を殺し自首。子供たちに約束した通り15年後に帰ってくる。事件によって変わってしまった子供たち3人の人生。それぞれの思いを抱えてどんな顔をすればいいのか何を話したらいいのかわからず戸惑い困惑する様子が痛々しい。起こってしまった事実も心の傷も消えることはないけれど少しずつ家族の温かさを取り戻してほしい。2020/11/28
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