内容説明
今から100年ほど前の1903年、ライト兄弟はフライヤー号で人類初の動力飛行に成功した。兄弟が飛行機をつくりあげた過程は苦難の道でありながら、「創造」の喜びに満ちていた。この「創造」の技と知恵は、われわれに感動とさまざまな示唆を与えてくれる。しかし、初飛行後の彼らの栄華はあまりに短い。飛行機が急激な発展を遂げるなか、兄弟はなぜパイオニアの悲哀にさらされねばならなかったのか、兄弟の限界はどこにあったのか。本書では、ライト兄弟以降の航空工学の発展も振り返りながら、技術と科学のあり方を考え、飛行力学の観点からフライヤー号の技術的特徴と限界を浮彫りにする。
目次
飛行への関心が芽生える
先人の研究を調べる
飛行機の研究に着手する
グライダーを飛ばす
グライダーの揚力を計算する
揚力の不足を解決する
操縦方法を確立する
フライヤー号の動力飛行に成功する
実用機に仕上げる
飛行機の売込みを開始する
カーチスと特許をめぐり争う
揚力はなぜ発生するか―翼理論の誕生
フライヤー号の翼はなぜか薄いか―境界層理論の誕生
パイロットはなぜ左席か―操縦方式の変遷
手ばなし飛行への挑戦―自動操縦装置の誕生
ロッキード・ベガとダグラスDC-3―近代的飛行機の誕生
著者等紹介
鈴木真二[スズキシンジ]
1953年岐阜県に生まれる。1979年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。(株)豊田中央研究所勤務を経て、1986年に東京大学助教授、1996年に同教授となる。現在、東京大学大学院教授(工学系研究科航空宇宙工学専攻)。1986年工学博士、専門は飛行力学。航空宇宙工学の教育・研究に携わるほか、一般の人々やマニアを対象に「航空情報」「MSNジャーナル」にコラムを連載し、飛行のロマンや楽しさを伝えている。日本航空宇宙学会理事、紙ヒコーキ博物館名誉館長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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