内容説明
ロシアの裏の顔から表の顔までとことん知り尽くす作家・佐藤優氏と、歴史・経済の観点からこの国を読み解くジャーナリストの池上彰氏。そんな二人がロシアをめぐり徹底的に語り尽くす。領土交渉のゆくえからソビエト連邦の功罪と崩壊の理由、プーチン人気の秘密、ロシア人の国民性とウオッカ、スパイ事件、日本にとってのロシアなど、このつかみどころのない大国を、ありとあらゆるユニークな切り口から描き出した書。池上彰氏が、ロシア通の佐藤氏から巧みに引き出すロシアの「知られざる一面」は、読み手をぐいぐい引き込む魅力を持ち一気に最後まで読ませる。今後の日露交渉のヒントも。さらにはロシアの分析を通して世界を知り、日本を知ることにもつながる本書は、学生からビジネスパーソン、国際問題に関心のある人まで幅広くお勧め。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
81
佐藤さんの見解と語りには、ロシア人の体温を感じる。ソ連崩壊の現場にいた人ならではの生々しさ。へええええええ!がいっぱい♪ バルト三国やチェチェン、ウクライナ問題も視点を変えればこうも違って見えるものなんだなあ。リトビネンコ暗殺におけるプーチンのジレンマ、インテリジェンス関連のエピソードもてんこ盛り。対談方式なのですごく読みやすいし、むっちゃ面白かった。本書でも繰り返されてるけれど、メディア・リテラシーって大事。とても大事。2020/03/25
あすなろ
72
お二人の本はどんなテーマでも基本、色々な知的刺激や学びあり。今回もそんな一冊。一番驚いたのは、ソ連の総括がロシア国内でもされていないと佐藤氏が言い切ったこと。確かに、ロシアのみならずあまりそうした論を聞いた覚えはない。そうした諸々から現状の北方領土返還交渉迄。歴史上国境にはバッファを置いてきたというロシア。エカテリーナ2世になりたい訳ではない官僚トップのプーチン以下が恐れるのは択捉島というバッファなくなった上で、沖縄米軍基地にオスプレイを配備させてしまう我が国のスタンスが分からないことだという。2019/07/22
こばまり
52
ウクライナに対するロシアのスタンスにも触れており現状を理解する一助となる。また、紛争地帯に降って沸いたように現れる非正規軍の仕組みも分かった。国民性についての佐藤氏の解説に惹き込まれる。相性がいいお二人なので情報量多くテンポもよい。2019年刊。2022/04/07
kawa
46
プーチンにはそれほどの領土的野心もなく、側近集団のバランスを取りながら今の大統領の地位を維持することが目標。彼が独裁者であるという見方は正しくなく「プーチンを囲むグループがいくつかあって、プーチンを独裁者に見せることによってお互い利益を見出す」体制は初知見で面白い。以下、おもしろ話の列挙。ソ連時代、社会は停滞していたが、多くを望まなければ、非常に高いレベルの文化を享受しつつ、庶民としてはそこそこの生活が出来ていた。(コメントへ続く)2020/04/16
鷺@みんさー
40
うん、面白かった。ただ、話されてる内容が高度過ぎて、私はその表層くらいしか読み取れなかったけど、それでも面白かったので、ちゃんとわかってる人が読んだらすんげぇ面白いんだと思う。ロシアでヒットした、アイロニーが効いてるドラマの話が面白かった。実はソ連って冷静に見るとなかなか良い国だったんだなぁとか。何を持って「良い」とみるか。色々あるけど、政治のことさえ口にしなければ、ちょっと働くだけで生活の保証はされてるってのは大きいな。贅沢をしらなければ望まずに生きていける。2019/09/21
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