講談社文庫 姦の毒 傑作短編集（二）

著者名：森村誠一【著】

講談社（2019/11発売）

• ISBN：9784061360365

内容説明

悪徳理事の裏口入学に便宜を図るという甘い誘惑にのった人妻の軽挙が招く、一家崩壊の過程を活写する表題作「姦の毒」、企業合併派の手段を択ばぬ恐るべき陰謀と謀略を衝く「黒い合併」、ＯＬの作り話からエリート課長の殺害事件に発展する「情熱の断罪」、銀行の暗黒部を抉る「殺意の逆流」のほか、「暗合殺人事件」「ステレオ殺人事件」といった、秀作６篇収録の強力選集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[kanamori]

☆☆★

2011/10/20

[ニミッツクラス]

森村氏の傑作短編集の2作目。S59年の第21刷で、「小説現代」などにS46-48年に掲載された6編を収録。社会の裏側や生活の水面下の出来事にサスペンス色を付加した作品群。平成の今でも人や企業のやっていることは当時と何も変わってないなぁ。性病の「姦の毒」、会社はパイの「黒い合併」、銀行の内部監査に絡む「殺意の逆流」、瓜二つな他人の「暗号殺人事件」、音楽騒音の裏に秘められた謎の「ステレオ殺人事件」、死に処を求めた「情熱の断罪」。勧善懲悪ではないから完結しない話もある。転動能力と言う言葉を知り得た。★★★★☆☆

2012/08/28