内容説明
都内のマンションで女性の片耳だけが切り取られた絞殺死体が発見された。荻窪東署の椎名真帆は、この捜査でなぜか大森湾岸署の村田刑事と組まされることになる。村田にはなにか密命でもあるのか……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
182
シリーズ2作目。女性の耳(しかも片方だけ)を切り取る猟奇的な殺人事件。犯人を追跡する椎名真帆の今回の相棒は大森署の刑事・村田。哀しい過去を背負った二人は会話が噛み合わなかったが、事件を解決に導き今後に期待させる関係なのかな。真帆と父親の関わりもちょっとだけ前進するのが好い。3巻目も手元にあるのでこのまま行ってみる。2020/09/26
タイ子
85
シリーズ第2弾。主人公の女性刑事・椎名真帆、自分は事務職に就きたい、就きたいと思いながら日々の捜査に明け暮れる。そして、相棒が今回も面倒くさいヤツ。出向してきた新人刑事の単独捜査が多すぎる。何か言えない訳がありそうでモヤモヤするが終盤明かされる事実に頷けるも、かと言って単独すぎるだろ。でも、彼の警察官としての最終目的には応援したくなる。真帆も何だかだと言いながら刑事続けるんだな。新堂班が鍛えてくれるだろう。2020/10/25
nemuro
57
さて、1月4日にして、2020年1冊目の読了本。悪くない。前作も、こんな感じだった気がする。しかし何か物足りなさも否めない。まあ、極めて個人的な、『女には向かない職業』(P.D.ジェイムズ/小泉喜美子・訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)とか、<仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶>シリーズなどと比べての印象なのかもしれない。これはこれ。さらなる続編を待とうかと。2020/01/04
えみ
56
暗い所に影は出来ないが、明るい所には影が出来る。隠し切れない暗い危うさを持ち、ある目標の為に刑事になった男。そして明るく装いつつ、心に隠された影なる危うさを抱えながら人生設計図の書き違いであろうことか刑事になってしまった女。二人に共通するのは「刑事に向かない」が「刑事に必要な人間」というところかもしれない。コミュニケーション能力ゼロの新人刑事・村田龍彦と組まされた椎名真帆は絞殺され片耳が切り取られた事件の捜査を始める。相性最悪の二人を嘲笑うかのように犯人は次の犯罪へ。暗い過去が力になるか、シリーズ第二弾。2021/02/23
はつばあば
51
荻窪東署の刑事・椎名真帆ちゃんも三十路をこの巻で迎えました。そして・・父親との初デート。いつまでも可愛い外面ですが大人になったものです。初めて見た絞殺され左耳を切られた遺体に、今回組んだお相手は・・相棒というより一匹狼のような村田君。これ一巻目の後読んでたみたいで半分以上過ぎて村田君の妹さんとの兄妹の会話で思い出しました(^_^;)。きっとレビューも書いてないかも。なんて書いていいのか思いつかなかったのでしょう。刑事に向かないって題でありながら、立派な刑事にしていくんですもの。未来の女性刑事への応援歌かも2022/08/14