内容説明
行訴法上の第三者効の内容を解明し,それを行政紛争の画一的解決のための仕組みとして分析することを通じて,形成訴訟や対世効の問題一般へのアプローチを試みる。行政訴訟のみならず民事訴訟も含めた,訴訟法理論全体に関わる解釈論,立法論を展望。
目次
序 論
第1部 形成概念と第三者効
第1章 第三者効と第三者再審
第2章 形成訴訟論と対世効
第3章 形成力の意義
第2部 紛争解決と第三者効
第1章 ドイツにおける行政紛争解決
第2章 対世効による紛争解決
第3章 我が国における行政紛争解決
結 論
感想・レビュー
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フクロウ
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行政処分取消訴訟の第三者効について、①紛争の画一的解決②紛争の一回的解決を目指し、③それぞれについて衡量利益になる効果(形成力)が及ぶ第三者の手続保障との組み合わせのグラデーションの中で様々なバリエーションがありうることを日独仏法の比較分析により明らかにする。そして特に「引き込み型」と「効力拡張型」の2類型を有力と見る。現在の日本法の制度や運用から、①は目指すが②③は当事者イニシャチブに委ね形成力を弱める方向が示される。形成力と既判力の違いや、第三者効の目的など考えたことのない話が多く非常に参考になった。2025/11/02




