内容説明
【複数色を使用したコンテンツです。モノクロ端末では一部読みづらい場合がございます】知れば知るほど、雑草が好きになる。色づく秋の美しい草花たち! 「秋が深まり、木々の葉が色づき、やがて木枯らしと共に葉を落とす頃、林の下草の中から細い茎を伸ばして、その頂きに紫紺の花を、一年の最後を締めくくるように、静かに咲かせるリンドウの花があった。それは侘しさと共に、心に残る晩秋の粧いであった」(本文より) 道端や空地で出会う雑草の魅力を端正な文章とイラストでガイドした『柳宗民の雑草ノオト』が、装いもあらたに登場です。かつて2冊で刊行された旧版を季節ごとに「春」「夏」「秋」3冊に再編集。イラストもより自然に近い美しい色合いに生まれ変わりました。最終巻となる第三弾は「秋」編。実りの季節をおだやかに彩る秋の草花たちが勢揃いしています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クラムボン
8
春夏と読み進めて最後の秋篇。27の草花を紹介する。秋の七草の中で《萩》だけが外れていた。秋の花で万葉集中最も多く詠まれた萩だが、雑草に含めない理由が分からない。その秋の七草の《葛》だが、太い蔓が縦横にはびこり、大きな葉を茂らせ、他の植物を圧倒して始末に負えない時もあるそうだ。しかしその有用性は群を抜く。蔓は縄代わりに用い、その繊維で葛布が作られた。太い根は良質の澱粉を含むために葛粉に、加工して葛餅になる。根を刻み乾かせば葛根湯の原料になる。葉は栄養価が高く飼料に最適と言われるなど、とても雑草とは言えない。2023/11/07