内容説明
長年埋もれていた連城三紀彦のミステリー長篇!
ファン待望、必読の一冊。
薬指に結婚指輪をはめた左脚の白骨死体が山中で見つかり、
石室敬三とその娘は、その脚が失踪した妻のものだと確信する。
この事件をきっかけに、日本各地で女性の身体の一部が発見される。
伊万里で左腕、支笏湖で頭部、佐渡島で右手……
それぞれが別の人間のものだった。
犯人は、一体何人の女性を殺し、
なんのために遠く離れた場所に一部を残しているのか?
壮大な意図が、次第に明らかになっていく超絶ミステリー。
※この電子書籍は2016年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
65
連城作品ということで、期待値を上げて読んだが……女性の立場からすると、こんなに都合のいい女性ばかりゴロゴロいないよ、といったところ。時代背景もあるのかな。2019/10/15
HANA
64
失踪した妻からの電話、それに呼応するように日本列島の各地で見つかる女性の体の一部。一見警察対サイコパスみたいな構図なのだが、それだけに留まらないのは流石は著者といったところ。著者の小説は登場人物全てが浮世の論理で動くのではなく、彼岸で行われている劇のその影の部分だけがこちらに投射されている印象を受けるのだが、本書は特にそれが顕著な気がする。群像劇風になっているのもそれに拍車をかけているのかなあ。ともあれ著者の独特の論理と文体で作り上げられた世界、今まで書籍化されていなかったのが信じられない作品でした。2019/12/24
ううちゃん
33
これまでの連城さんとちょっと違う、かな。私が読んたことのあるのは数冊だから分からないけど、これまでの品格がこの本では感じられないというか。私の期待した描き方でなかったというだけの話だろうが、いまいちハマらず残念。辻村がもっと違う形で活きてきたらよかったかも。2024/08/02
カノコ
32
薬指に指輪を嵌めた左足の白骨死体が発見されたというニュース。その持ち主は、失踪した妻のものなのか。連城三紀彦式官能小説……と思ってしまったほど、濃厚で粘度の高い描写が多い。どんどんと不可解になっていく事件の様相には心惹かれるものがあったが、その不可解さがスッキリと解れることはなく、読み終えてなお混沌としたままである。事件の壮大さ、動機の荒唐無稽さ、連城の文章でなければ何の説得力もなくなっていただろう。また、登場する女たちがみんな浅薄なのも気にかかった。やはり連城は短編の方が好みだなと思った。2021/12/31
かめりあうさぎ
29
かなり癖のある作品でした。連城先生のなんていうか…官能的な部分がいきすぎるとこうなってしまうというか。ちょっとそういう性癖の部分がいまいち理解できなくてぽかんとしてしまった印象がありましたが。本格ミステリとしては面白く、複雑なプロットや動機を無視した強引さとかも個人的には好きでした。2019/12/22
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