江戸川乱歩傑作集3 芋虫

著者名：江戸川乱歩【著】/咎井淳【イラスト】

リブレ（2019/10発売）

• ISBN：9784799726303

内容説明

僕はあなたが可愛いのだ。生かしておけないほど可愛いのだ。
挿画：咎井 淳（Guilt｜Pleasure）／監修：平井憲太郎
収録作品：芋虫　踊る一寸法師　虫　盲獣

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[aquamarine]

美しい表紙に惹かれてわざわざこの本を手に取ったのに、思わず取り落としました。ああびっくりした。やるなリブレ。いや、凄いのは絵師の咎井さんか。第3巻テーマは血塗れ乱歩だそうで、収録作が「芋虫」「踊る一寸法師」「虫（蟲）」「盲獣」ですから表紙のイラストは「虫」からですね。自註自解によると「虫」はウジではなく極微の虫だそうなのでちょっと違うのかもしれませんが、このインパクトは凄いです。このラインナップ、若いころに読んでいたら嫌悪感しか持たなかったかもしれませんが、今読むとちょっと違う印象を受けます。それぞれが→

2017/11/17

[藤月はな（灯れ松明の火）]

『幻影嬢』課題図書の『蟲』のみ読了（尚、この短編集での表記は「虫」）。主人公の名が征木”愛”造とは何とも皮肉。征木は厭人主義と言及されるが、それは彼のプライドの高さが関係していたのではないだろうか。他者と相対した時の様子に自身の欠点や至らなさを見出す者にとって、人を遠ざけて孤高を貫く事で自尊心を守るのだ。征木は自尊心を守りながら己の孤高さを内心、鼻に掛けていたに違いない。だからこそ、歪んだ形で愛しているとは言え、（自身を馬鹿にしている）芙蓉の笑いに追従笑いをした事がきっかけで殺意を抱くのは当然な事なのだ。

2024/08/18

[ヨンヨン]

「芋虫」を思わせる夫婦と会った。作中の夫婦とは違い、意思疎通が困難な夫の想いを汲み取り妻は代弁に必死。クレーマーと化してなりふり構わず数々の医者と喧嘩してきた。彼の子が欲しいと言った妻の執念は、作中夫婦の上をいくように感じた。勝手にイメージを重ねている事は、秘密にします。

2018/11/28

[九月の白い雲]

あーやなもの見ちゃったなぁ～と思いつつ癖になりそう。単純にグロい。エログロ。称賛の意味も多少込めながら「これは酷い(笑)」と言いたい。面白かったのは「芋虫」特にグロかったのは「盲獣」で、バラバラ死体なんかは読んだことあるけど、死骸風呂は初めてです(-_-;)最後の自註自解で「ひどい変態ものである」と書かれていて笑った。

2016/08/12

[あんコ]

★★★☆☆『芋虫』『踊る一寸法師』『虫』『盲獣』の短編4話。『芋虫』寺島しのぶさん主演の映画『キャタピラー』を観たし丸尾末広さんの漫画も読んでたので原作ってどんな感じ？って思ったら…原作より映画と漫画の方がインパクトある!!この作品をよくここまでアレンジしたなぁw(*ﾟoﾟ*)w戦争で視覚と触覚意外の五官と四肢を失ってしまい芋虫のようになってしまった須永中尉とその妻、時子の話。『踊る一寸法師』虐げられた者の復讐劇。『虫』今で言うところのストーカー殺人。『盲獣』盲目の殺人鬼の残酷で異常な犯罪を描いた物語。

2015/09/22