内容説明
陰陽師な女子社員の上司は京都から来た鬼?
浅草の会社で働く永野遥香は、もう一つ、内緒の仕事を持っている。それは浅草の町を守る『陰陽師』の一族としての仕事。毎晩会社帰りに町を見回り、治安悪化の原因になる怪異を〈甘味祓い〉で祓っているのだ。
昼は会社員、夜は陰陽師として忙しく働いていたある日、遥香の職場に京都支社から新しい係長がやってきた。彼の名は長谷川正臣。イケメンかつ有能で独身の長谷川の登場に、色めきたつ女子社員たち。互いをライバルとみなして火花を散らせる中、遥香は長谷川を見た瞬間に胸が激しく高鳴って、彼以外何も見えなくなる。……これって、もしかして恋!? いや違う。遥香は気づいてしまった。この気配は強大な邪気。彼は人間じゃない、最悪最強の“鬼”だ……!!
遥香が陰陽師だと気づいているのかいないのか、なぜか好意的な態度をみせる長谷川係長。そんな彼に振り回されながらも、なんとか鬼に対抗すべく甘味祓いを仕掛ける遥香。だが、遥香の行動が他の女子社員には『抜け駆けのアプローチ』に見えて――!?
浅草を舞台に、兼業陰陽師の女子社員と京都からやってきた鬼(ホンモノ)上司がスリリングなバトルを開始!? 危険なラブコメディ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりこんぐ
65
「あやかし」「キュン」のワードに惹かれてしまう私。。江本さん初読みです。現代に生きるOL兼陰陽師の遥香は、甘味祓いで地道に怪異を祓う毎日。上司として異動してきた長谷川係長がなんと鬼だった。視線だけで失神してしまう程の実力の差。おまけに優しいんだか怖いんだか何を考えてるのかさっぱりわからないという...。鬼視点からだと事情はわかるのだけど、シリーズものなので今後ゆっくり進むのかな。【積読91】2021/07/01
佐島楓
64
甘味を食べさせることで怪異を祓う、というギャップが面白い。展開的には序盤も序盤、まだ長谷川さんの魅力もよくわからない段階なので、続編を読んでみないと評価ができない。2019/10/14
ありす
37
陰陽師×お菓子×鬼の話。凄く好みの話でした。会社員兼陰陽師の遥香の前に現れたのは、上司でありお隣さんであり"鬼"でもある長谷川正臣。遥香は怪異との共存を目指し、独自に考案した"甘味祓い"で邪気を祓って回っている。一方鬼である正臣は、遥香に敵意を向けてくるかと思えばピンチを助けてくれたりと何を企んでいるのやら。番外編を読んでそういうことかぁと一人ニマニマしてしまった。これは是非とも続編を読みたい。2021/03/29
ひぬ
29
浅草で兼業陰陽師として働く永野遥香の職場に京都から異動してきたイケメン上司がまさかの鬼という所から展開する物語。独自で編み出した「甘味祓い」で浅草の怪異たちを祓う遥香ですが、圧倒的な力を持った鬼・長谷川の前では太刀打ちできず。式神(ハムスター)のジョージ・ハンクス七世のネーミングセンスには爆笑しました。長谷川には何かと振り回される遥香ですが、彼女を弄ってしまう理由は彼の内面を知ってからは納得。これは次巻で糖度アップなるかな…色々と詰め込んだせいか、全体的に少しあっさりとした印象でしたが、面白かったです。2021/07/10
ゆなほし
29
OL遥香は陰陽師として独自の甘味祓いで浅草の街を守っていたが、ある日職場に京都から新しい係長(最悪最強の鬼)がやってきて…。甘味祓いとはなんだ?と思っていたが、なかなかオリジナリティのある設定で、巷に溢れる陰陽師ものとの差別化を計っているのは評価したい。甘味だけでなく、割と料理描写が多く意外にも飯テロ度高め。恋愛的糖度はほぼ無いに等しいが、オフィス×陰陽師の新しいジャンルとして楽しめた。本編読了後は普通だな、という感想を抱いたが、番外編が良い味を出している。2020/04/19