内容説明
これから先、日本はどうなるのか?どのような国のかたちが皆の幸せになるのか?経済成長だけ追い求めていていいのか?日本人らしさとは何か?天皇制とは?福澤諭吉から保田與重郎、丸山眞男、橋川文三、網野善彦まで、23人の思想家が、自分の喫緊の問題として悩んだ、近代化と戦争、維新と敗戦を軸に、日本の150年を振り返る。思想家の悩みは普遍であり、危機の時代の私たちのロールモデルなのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
23
とあるテレビ番組にて。立憲民主の野田佳彦元首相による安倍元首相への追悼演説を「西南戦争で敗れた西郷隆盛を追悼した勝海舟の侍の心」となぞらえた先崎氏のコメントに、そんな昔のヒトを引き合いに?と不思議な感動を覚えたのが本編を読むきっかけ。明治から大正、昭和初期の先人たちの言葉が今も生きると考える。思想家と言える人が居なくなって、言葉が言葉以上の深みがなくなっている現在だから一旦立ち戻ることで、思考を深められそうに思う。2022/10/31
trazom
23
福澤諭吉から高坂正堯まで、近現代の日本に影響を与えた思想家21人が紹介されているが、著者の解釈がユニークで面白い。特に、組み合せが絶妙。近代化の福澤諭吉に対抗する高山樗牛、岡倉天心、竹内好。反自然主義としての北村透谷と保田與重郎。人の関係性を重視する和辻哲郎と吉本隆明の共通点。西郷隆盛をリトマス試験紙にして、福澤諭吉、中江兆民、頭山満、丸山眞男、三島由紀夫、司馬遼太郎の比較。保田與重郎が橋川文三につながる時間の流れ。丸山眞男、江藤淳、吉本隆明、高坂正堯の戦後観など、とても刺激に溢れた一冊である。いい本だ!2019/03/15
かんがく
15
大きな変化の中にある現代の日本から、維新と敗戦という二つの大きな変化を捉える。福沢から高坂まで23人の思想家について述べた第一部と、ナショナリズムや天皇などを描いた第二部。日清日露戦争後の近代の揺らぎと反近代、政治と芸術の対比といったところが中心軸か。丸山、竹内、橋川、網野、三島などは原著を読んでいたため理解が深まる。江藤、柳田、和辻あたりをもう少ししっかり読んでみたいと思った。2020/11/14
軍縮地球市民shinshin
15
福沢諭吉から高坂正堯までの近現代の思想家が取り上げられているのが前半。後半は著者の思想史エセー。思想家にはお約束の吉本隆明とか丸山眞男も取り上げられているが、変わり種として頭山満、葦津珍彦なんてのも紹介されている。この右翼の二人がいることがよい。福澤の自由民権派批判がいい。著者の要約だが「民権論者はまるで政府を神のごとく思い、日本人総てに利益があるような政策ができる能力を求めてしまっている。それが不可能な以上、つねに政府の欠点をあげつらい批判と罵倒がくり返されている」。今とあまり変わらないなぁ。 2019/12/07
kincyan
4
先崎彰容氏は歯切れの良い論評を行う人だ。面白い人なので、オンライン講座も受けている。その中で、この本も知った。明治維新以降、二十三人の日本人思想家を一人当たり5~6ページで述べている。福沢諭吉から始まり、明治期のルソー紹介者の中江兆民から戦後の三島由紀夫、高坂正堯まで。2021/09/01
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