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内容説明
2018年7月、オウム真理教の教祖・麻原彰晃と幹部信者13人の死刑が執行された。「戦後最大の刑事事件」と言われたオウム真理教の数々の事件の背景には何があったのか? 実態はどうだったのか? 彼らが信じたものは何か? そして、何を残したのか? 1995年の地下鉄サリン事件以降、オウム報道にかかわり、元信者や裁判の取材を続け、死刑囚・無期懲役囚との面会や手紙のやり取りを続けてきた東京新聞社会部のベテラン記者による集大成。
目次
序章
第1章 時代
第2章 超能力
第3章 欲望の象徴
第4章 武装化
第5章 救済殺人
第6章 師弟対決
第7章 捜査迷走
終章 終わらないオウム事件
墓碑銘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
24
市の図書館本で読みました。 東京新聞は2000年からずっと購読しています。著者、社会部の記者としての視点も目立つ本で、自らも含めたマスメディアの報道姿勢等も率直に反省すべき事実が多々あったと認められていますね。 死刑判決となった関係者との手紙のやり取りから見えるものが、かなり率直な筆致で書かれています。やはり死刑制度等についても考えるべきことは多いでしょうし。 公安警察、ではいかんせん、役に立たないでしょうし、日本の司法制度についても考えてしまう本でしたね。 朝まで生TVでは……というのもありますね。2023/04/25
テツ
12
平々凡々な悩み苦しみを抱える人たちが集まり、帰属意識と連帯感に溺れ救われ蝕まれ、群れの熱の中で少しずつ少しずつ社会との隔たりが大きくなり、いつの間にか群れの内側と外側とでは全てが異なっていった。オウムの事件でやらかしてしまった信者一人一人が僅かでも外部の社会の誰かと手を繋いだままでいたのなら、もしかしたら悲劇は生まれなかったのかなと思ってしまう。オウムが起こした諸々の事件は個人の意識や社会風土でケアができる類の暴走だと確信しているので、二度と繰り返さないように語り継ぎ考えていかなければならない。2022/02/05
大熊真春(OKUMA Masaharu)
5
読んだ。2019/09/25
コギー
1
三度目の再読。2020/07/27
コギー
1
思うところあって、図書館で借りて読む。瀬口や多くのオウム関係者(被害者及びその親族、友人知人、信者の親族、友人知人、法曹関係者、マスメディア関係者)が指摘するように、やはり麻原彰晃(松本智津夫)への死刑執行は、世論等を鑑みても当然だが、麻原以外の(元教団幹部を中心とする)確定者(死刑囚)は死刑執行せず、様々なところで自らの過ちや問題点について語ってほしかったと思う。2020/06/23