講談社文庫 風の砦（下）

著者名：原田康子【著】

講談社（2019/10発売）

• ISBN：9784062630627

内容説明

愛も無力となるほどに苛酷な、蝦夷の大地。厳しい寒さと水腫病が、警備の藩士たちの生命を次々に奪った。和人たちの横暴を憎みながらも、心を開き始めるアイヌの若き女。人妻への思慕を断ち切れぬ、青年武士。苦悩の愛を抱えながら男たちは、寡黙に、生命を賭けて北の守りを固める。自然と歴史に立ち向う愛の群像。許されぬ愛の苦悩を背負い、歴史に立ち向かう、侍たちの姿！＜上下巻＞

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[y_e_d]

和人を憎む面がありながら、優しさに触れると素直になる蝦夷人の描かれ方が素晴らしく、厳しい自然の猛威もこれで融かされてしまいそうに思えた。途中で読むのを中断するのが苦しかった。許容と拒絶、人のどうにもならない心理を静かに鮮やかに描き出した名作と思う。

2018/03/25

[Mameyama]

再読

2015/07/04

[kayoshi]

★★★・・

2001/04/05

[とりみ]

過酷なこの当時の蝦夷の情景が 本文から伝わってきて 寒くなった。どんなに大変でしんどかったんだろうと思うと苦しくなった。和人とアイヌのふれあい 愛情は静かで 心あたたかい。面白い本でした。

2021/03/25