内容説明
190センチの長身。鍛え上げられた鋼(はがね)のような肉体。中堅製薬会社の腕利きプロパー・石川克也は手段を選ばない。食わせ飲ませ、女をあてがい、裏金を握らせ――腐りきった医師たちの醜い欲望を満たし、薬剤を売り込んでゆく。土下座を繰り返し、調子よく媚(こ)びへつらいながら、自らも大金を掠(かす)め取るのだ。綿密な取材を元に医療業界の暗部を抉(えぐ)る、著者渾身(こんしん)の超大作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sibasiba
12
再読。法律とか色々変わって今じゃ大分違うのだろうが色と金でなんて今もやってんだろうな、なんて無責任な想像しながら読む。主人公が薬を売り込む医師が悪徳医師ばかりだが非常にコミカルに描かれていて楽しい。安富親子がろくでもないのに妙に憎めない。安富忠治と食べる韓国料理の描写は大変美味そうだ。上巻は全く戦闘なしだがその代り食事シーンが多い。大藪主人公らしく過剰に食うが、製薬会社勤務の為薬も過剰摂取するのが特色。2014/08/23
ycoco
1
大藪ワールド全開?…やり手プロパーと悪徳医師とのうんざりするような関係性。昔の医薬品業界を垣間見れる物語。主人公、今の言葉で言う超肉食系な男。いっつもワインガブガブ飲んでTボーンステーキ喰らって、女性たちを虜にしてる。パーフェクトな男で凄いけど、出会う女性たちが皆さん、からだに触れる前から「抱いてモード」になっちゃうなんて、是非お会いしてみたい(笑)2012/06/17
TK0629
0
初読み作家です。主人公の石川が良くも悪くも、兎に角、営業に徹していて、脱帽しました。金銭授受にしても、完全にコンプライアンス違反ですがなんのその。得意先の医者も正に医は算術なりを自でいく方々ばかりで、閉口しました。マニアックな部分での説明(銃や外車など)が細かく、作者の博識ぶりが、十分に伺えました。ハードボイルドと謳うだけに、下巻ではこのまま進むとは思えませんが。2017/04/05