内容説明
神町。どこにでもあるようなこの片田舎の町は、戦後日本の縮図でもあった。米軍の占領政策の一端を担ったパン屋とヤクザ、田宮家と麻生家は神町で絶大な勢力となり、息子の代になっても両家の固い結びつきは続いていた--あの事件が起きた炎熱の夏までは。壮大なる構想の下に始まる「神町三部作」第一部。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみぶくろ
82
久々に、圧巻、って感じの本に出会えた。2017/03/27
Y2K☮
27
著者の三種の神器「ロリコン」「盗撮」「ドラッグ」が過去最大規模のキモさで炸裂する大作群像劇。ただ同じ神町サーガの超傑作「ピストルズ」の菖蒲四姉妹みたいな軸になる引力を持ったキャラが不在。全員変態だから各人の顔も浮かばない。現実事件とのリンクも弱い。秋葉原のあれを予見していたかの様なエピソードはかなりのインパクトだが、よくよく考えたら「インディヴィジュアル・プロジェクション」にもそっくりな場面があった。これは苦手だが阿部和重はもっと読みたいという人には「グランド・フィナーレ」と「ピストルズ」をお勧めします。2015/04/23
しゅう
19
壮大なスケールで描かれる神町物語。立て続けに自殺、事故死、行方不明(殺人)が起きる。複雑に張り巡らせた伏線が下巻で回収されていくのかと思うと楽しみでしかない。ところで、この小説を読んでいて文体がまるで筒井康隆のようだと感じた。なんか似てる。影響受けたりとかあるのかなぁ。とても饒舌な文章に頁を捲る手が止まらない。2025/01/10
ソングライン
19
東北地方にある神町、そんな不遜にも思える名前の町の夏、3つの死亡事件が起こります。産廃処分場建設反対派の教師の自殺、車好きの青年の突然の心臓死、そして老人の射殺事件。物語は戦後、神町を支配してきた二つの一族と盗撮を趣味とする地元の若者のグループの行動を描きつつ、各自の欲望とその心理を執拗に語っていきます。登場人物の自己本位な行動と心理に嫌気がさしながらも、3つの死にはどんな関係があるのか、悪は崩壊するのだろうかと読みすすめました。下巻へ。2020/11/07
fseigojp
17
結構辛口批評が多い本作品 一種の露悪ユーモア作品と考えるとゴーゴリ的で面白いと思うのですが。。。。2017/11/03
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