内容説明
昭和20年。疎開先で妹・真那子が神隠しに。11歳の少年・遠野心造は、妹を探し巨大な屋敷に足を踏み入れる。謎の犬「しっぺい太郎」に助けられ、怪異と戦う心造の胸には、いつしか紅蓮の野望が芽生え――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
79
疎開先で行方不明になった妹を探して少年は“迷い家”に招き入れられる。そこは御伽草子の宝物が…昔語りの妖怪が…集められた魔処…しつぺい太郎に導かれて辿り着く結末の前段と、忘れ去った過去に誘われて養父と共に“迷い家”を再訪する嘗ての少女を描いた後段、館の静謐な恐怖と相反する妖怪たちを絡めたホラーなパートのエンタメ迫力もさることながら、終戦に取り残された少年の戦後の所謂戦争を知らない、平成に下っては他人事、知ろうともしない私達日本人に投げ掛けられたメッセージが深いと感じさせられた。2019/10/28
おかむー
77
闇の這い寄るホラーかと思いきや、数々の霊宝を駆使して妖怪屋敷を生き延びるホラーチックアドベンチャーでしたよ。『よくできました』。一部では二次大戦末期に疎開先で神隠しに遭った妹を探して「迷い家」へと足を踏み入れる軍国少年・心造。しかし得体のしれない恐怖に怯えるホラーは序盤まで、見覚えのある名前が並ぶ零宝の目録から風向きが変わり、「しっぺい太郎」の登場で冒険物語にシフトチェンジ。二部では大きく状況を変えるもダイナミックな結末で読み応えは充分。とはいえ恐怖に震えるホラーを期待する読者には肩透かしかも?2020/01/26
眠る山猫屋
73
帯にある三人の先生方の言うとおりだな!少年が戦中疎開先で妹を探して迷い込んだ〝迷い家〟。近いところでみれば双亡亭か、クトゥルーにドラえもん要素も満載。エンタメとして最高でした。脱出不可能の太古から存続する迷宮に潜むあやかしと霊宝の数々、キャラクターに感情移入し辛いものの、エンタメ感の激流にサクサク読めました。二部構成もダレずに良い。そしてあの人は・・・天邪鬼として存在し続けているのですね・・・。2019/10/15
absinthe
58
面白いしアイデアも盛りだくさん。昭和の感じあふれるこのテイストは好きだ。とはいってもホラーという気はしない。妖がはっきり描写されすぎていて、その機能や能力もきちんと描かれすぎている。ミッションクリア型のゲーム素材の様でもあり、準備されたお化け屋敷の印象になった。対象物に奇麗に照明を当てすぎて、ピンとも合い過ぎている。読みたかったものとは少し違っていた。戦争末期の設定はよかった。軍国主義と過去の亡霊が結びついて怖さを煽っている。2026/06/16
アッシュ姉
49
読友さんのレビューに惹かれて、山吹さん初読み。舞台設定や民間伝承の織り込み方が巧みで予想外の展開も新鮮だった。妖怪の描写は迫力が伝わってくるものの、冗長さが恐怖をやや薄めてしまった印象。霊宝も興味深かったが、古語調の文体が読みづらくて、途中から斜め読みししまったのが無念である。じっくり読み込める人にはいいかも。2025/09/17
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