角川文庫<br> 残業禁止

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角川文庫
残業禁止

  • 著者名:荒木源【著者】
  • 価格 ¥704(本体¥640)
  • KADOKAWA(2019/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041083130

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内容説明

成瀬和正、46歳。準大手ゼネコンの工事部担当課長。ホテル建設現場を取り仕切る成瀬の元に、残業時間上限規制の指示が舞い込む。綱渡りのスケジュール、急な仕様変更……残業せずに、ホテルは建つのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

362
無茶苦茶な環境下でなんとかやりくりする主人公や、その他主要人物の姿は共感出来るし、応援したくもなる。しかし、根本的な問題が何も解決されないまま終わってしまったところは点数が辛くならざるを得ない。出来たこととしては、課長の嫁を含めて、一旦、現場を退いた人を再投入したくらい。物語中、起こる出来事はなかなかにハードで陰鬱なことばかりなのに、ターゲット層を広げるためにライトな読み物の皮を被せたような無理矢理感もある。ラストのオチなど特にそう。少子化に関する本を読んだ後なだけに、とにかく建設業の未来が心配になる本。2020/05/07

三代目 びあだいまおう

289
働き方改革…慢性的な人手不足、ただでさえ一人一人の負担は増加一方なのに残業禁止?企業の労務は勿論、管理者が軒並み頭を悩ます問題。舞台は納期がしっかり決まっている建築現場。100時間強の残業が当たり前の職場で突然残業禁止令!過労で倒れた人員の穴を埋めるとんでもない無能新人。何もしない方が100倍マシ。周りの負担と不満は増すばかり。迫る納期、やまないトラブル!さぁどうする?起死回生の策などなく、仕事の本質を見定めるのみ!厚労省の役人さん、やるじゃん!現場で働く人達のリアルな声を隠蔽する企業に未来はない‼️🙇2020/09/23

おしゃべりメガネ

146
思ってた以上に痛快な作品でした。タイトルにあるようにまさしく昨今問題視されているサービス残業や「働き方改革」をテーマに綴られています。奇しくも自分が今度、管理職になるにあたり、こういった作品からも何かしら学べるのではないかと思い、手にとりましたが予想以上の収穫がありました。所長として現場を統括する苦悩や、デキる女性部下や熱血でちょっと暴走気味の担当、ゆとりと言われる若者をもつ配慮など本当に色々と参考になりました。大切なのは仕事をもちろん好きなコトかもしれませんが、もっと大切なコトは他にあるかもしれません。2020/07/26

chiru

130
残業するな、工期は延ばすな…。『働き方改革』がテーマのサラリーマン小説。大手ゼネコンの工事部課長の視点で描く建築現場。命より優先される『工期遵守』と『残業規制』の間で板挟みにされる課長。その苦悩に強く共感してしまう。残業規制という一見ステキに見える取り組み。そのしわ寄せは、サービス残業+休日返上+過労によるミスの増産=人間関係破綻と降格人事、という負のスパイラルへと急降下。問題打開のため取った課長の英断は画期的で、労働法に加えてていいと思う❕❕ 危機を打開して乗り切るラスト😊よかった❕ ★3.52020/02/23

utinopoti27

123
官公署や大企業ならいざしらず、多くの中小企業にとって、ワークライフバランスなどいまだ絵空事。本作の主人公は、ホテル建設を請け負う中堅ゼネコンの工事現場所長だ。私生活を犠牲にし、ギリギリの戦力で、考え得る限りの効率化を図ったうえでの工期であり、受注額なのだろう。なのに残業時間の削減を上から一方的に決められて、使えない新人、住民クレームを抱えつつ、納期は厳守だという。げに恐ろしきは、中間管理職という名の貧乏くじ。うまくいって当たり前、ヘタ打ちゃ責任取らされる。妙な成り行きでお茶を濁すのが精一杯の収束なり。2020/08/17

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