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内容説明
急激な少子高齢化により、有権者に占める高齢者の比率が増加の一途にある日本。高齢者の投票率は高く、投票者の半数が60歳以上になりつつある。この「シルバー民主主義」の結果、年金支給額は抑制できず財政赤字は膨らむばかりだ。一方、保育など次世代向けの支出は伸びず、年功賃金など働き方の改革も進まない。高齢者にもリスクが大きい「高齢者優遇」の仕組みを打開するにはどうすべきか。経済学の力で解決策を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
75
選挙と既得権。世代間格差や国の借金も顧みない先送り志向。格差は世代内にも存在。借金そのもののみならず、歳出先のバランスも欠如。そして、決めない政治。公平を期すれば、国民の諦め感も痛い。国民と政治家、鶏と卵の世界とも言える。日本の将来という大風呂敷ではなく、次世代、次々世代の子供たちの痛みを今分かち合うしかない!と再認識させれられた読後感。客観的な事実の検証、次世代を見据えた成長戦略、他国の制度はあくまで参考、絶対的平等にはできないだろうが一定の理解を得られる格差是正は必須。政治家の胆力と国民の覚悟!かな。2019/11/15
佐島楓
52
財政学を学んで、税金の使途の透明性を高めるべきという意見を持った。個々人が自分の納めた税金の使い道を具体的にチェックできるようなシステムができれば、増税やむなしとなってももう少し納得できるのではないだろうか。2016/08/10
Miyoshi Hirotaka
36
人口動態はゆっくりと変化し、確実にわが国の未来を変える。高度経済成長の原動力となった日本的雇用形態が萌芽したのは戦前の呉。艦船の建造には熟練工の長期確保が必要だったからだ。これが、雇用保障、年功昇進・賃金という仕組み生んだ。ピラミッド型の年齢構造の下では合理的だった。若年が企業への貢献以下の賃金で働くことは、生涯賃金の後払い、あるいは、企業に対する投資と配当という関係として機能したからだ。人口構造が逆転するとこの構造は高齢者に有利に働き、シルバー民主主義として機能し、わが国の活力を徐々に奪うようになった。2020/08/25
yamatoshiuruhashi
35
老人の老人による老人のための政治はもう止めたほうが良いんじゃないか?そう思っている人は多いはず。私も老人の域に達していますが、同じように思います。老人ポピュリズムの主張者であるより、自分たちの子供、孫の世代にきちんとした社会を残したいと思います。世の中に自分の子供や孫の働きを勝手にとって自分の生活に使うことが自分たちの権利だと主張する人がいるでしょうか。そんな人はごくごく少数だと思います。にもかかわらず政治家はそれを組織的に奨めそれらの政党政治家を選ぶことは次の世代を食い潰していることです。それはいかん!2019/11/24
おかむら
35
まだ高齢者が少なかった時代に制度設計された年金や健康保険が、子どもが減ってくのにも関わらず激増する一方の(そして超長生き)の高齢者に対してなんも対策してない現状のリスクを直視させられます。高齢者予備軍としては複雑な思い…。年取ったら年金もらえるの当たり前と思ってたけど、なんというか、そのー、長生きして何十年ももらっちゃったら申し訳ない感じ。社会のお荷物になっちゃう感じ。長寿めでたくないかも。2017/07/12